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ASICRO FOCUS file no.19

『オオカミの誘惑』記者会見

●イ・チョンアさんにとって、実際は二人のお兄さんですが、役の上で弟扱いをしなければなりませんね。ご自分から見たお二人への印象はいかがですか?

p5
 チョンア「たしかに私は3人の中で一番年下なんですが、『お姉さん』と呼ばれてとてもうれしかったです。実年齢では二人のお兄さんと話す時は、今でも丁寧な言葉をつかっているのですが、そのことでよくからかわれました。でも撮影中、私が二人を殴るシーンでは、『自分はお姉さんなんだから』と思って思いきり殴ることができました。(笑)

 お二人の印象ですが、カン・ドンウォンさんは最初とても静かな方だなあと思いました。チョ・ハンソンさんはこわいなあという印象が最初あったのですが、今では二人ともよく私のことを面倒みてくれています。映画の中では二人の主人公のカラーが違っていますが、実際のお二人にもそれぞれ違った魅力があります。」

●原作への感想をお聞かせください。

 監督「実は、小説を半分くらいまで読んだ時点では、まだあまり馴染めなかったんです。インターネットで使われる独特な言葉が使われていたりして…。が、半ば以降になると、長い間私が忘れていた純粋な愛が描かれていることに気づきました。そして、この子たちはとても純粋だから、優しい子たちだから、こういう風な状況に置かれてこんな風に心を痛めているんだ、とういことがわかるようになりました。そうなってからは、私が忘れていた純粋な愛をぜひ映画にしてみたいたいという思いが強くなりました。この原作者クィヨニさんの小説には、驚くべき言葉づかいや感性がたくさん盛り込まれています。」

 ハンソン「私は最初に脚本を読んでから、原作を読みました。インターネット小説なので、インターネットを通して見るのですが、インターネットを見るという行為そのものがすごく大変でした。画面を見ていなければいけないので目も痛いし、ずっと坐って読まなければならないのがちょっと嫌でした。なぜ原作をそのように見たかという理由は、その中から何か感じることがあるのではないかと思ったからです。後は、脚本を読みました。脚本にどんなことが書かれているのか、それを分析することに私は気をつかいました。」

 チョンア「私はハンギョン役のオーディションを受ける前日に、なんとか原作を手に入れて読みました。『オオカミの誘惑』というインターネット小説があることは周りの友だちから聞いていて、ブームになっていることも知っていたのですが、私はかなり遅い時期に読んだことになります。最初に読んだ時はかなり驚きました。インターネット小説ならではのとても珍しい文体で、最初はちょっと馴染めなかったのですが、読み進めている内に完全にはまりました。そして、何度も涙が出ました。同時に、自分がこの役をできるかどうか心配だったのですが、めでたく無事に映画になりました。」

 ドンウォン「私は脚本を見る前に、本として出版された原作を読みました。そして最初からチョン・テソンという人物にとても惹かれました。その時、映画化されるかどうかを知っていて読んだのかは記憶が定かでないのですが、もし映画にするなら、ぜひこの役をやりたいと思いました。そして、実際にこの役を演じることができて、とてもよかったと思います。最初は私もなかなか馴染めませんでした。20代半ばのせいかなあ…なんて思ったんですが、どんどん読み進めていくにつれて、深い悲しみがわかるようになり、満ち足りた気持ちにもなりました。純粋な人の心が描かれている点がよかったと思います。」

●最後に、日本の皆さんへのメッセージをお願いします。

p6
 監督「この『オオカミの誘惑』という作品が、日本でも多くの方に共感を呼んでもらえればうれしいと思います。そして日本の10代の人たちも韓国映画を観るきっかけになってくれれば、うれしいです。」

 ハンソン「作品そのものに惹かれて観ていただいて、観た後に皆さんが何かを得ていただければうれしいと思います。そして、ぜひ楽しんで観てください。」

 チョンア「この『オオカミの誘惑』は、年齢が若ければ若いほど楽しめる作品かと思うので、日本の若い方たちにも充分楽しんでいただきたいと思います。そして、素敵な二人の男性の姿も映画の中で見てください。映画を見て笑って、最後には悲しい物語というのを味わってください。この中には、ほんとうにかわいい愛の物語が描かれています。」

 ドンウォン「韓国と日本は近いですが、もしかしたら感じ方や感情に違いがあるかもしれません。でもこの映画は、とても感動できる映画ですし、楽しんで観られる映画です。日本の観客の方にも韓国の観客と同じような印象を感じ取ってもらえればうれしいですし、大きな感動を持ち帰って欲しいと思います。」


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更新日:2005.2.27
●back numbers

記者会見の表記
司会・質問者
監督(キム・テギュン監督)
ハンソン(チョ・ハンソン)
チョンア(イ・チョンア)
ドンウォン(カン・ドンウォン)

シナリオPHOTO BOOK

「オオカミの誘惑」
シナリオPHOTO BOOK

著/キム・テギュン
翻訳/根本理恵
1050円(税込)角川書店


原作本「オオカミの誘惑1」

原作本「オオカミの誘惑1」

著/クィヨニ 訳/清水由希子
1260円(税込)河出書房新社


原作本「オオカミの誘惑2」

原作本「オオカミの誘惑2」

著/クィヨニ 訳/清水由希子
1260円(税込)河出書房新社


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