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恋する惑星 4K

恋する惑星 4K(重慶森林/Chungking Express)

監督:ウォン・カーウァイ
脚本:ウォン・カーウァイ
撮影:クリストファー・ドイル、アンドリュー・ラウ
編集:ウィリアム・チョン、ハイ・ギットワイ、
   クォン・チーリョン
造形:ウィリアム・チョン
美術;アルフレッド・ヤウ
音楽:フランキー・チェン、ロエル・A・ガルシア、
   マイケル・ガラッソ
主題歌:「夢中人」(歌:フェイ・ウォン)
出演:トニー・レオン、フェイ・ウォン、ブリジット・リン、金城武、ヴァレリー・チョウ

1994年/香港
特集上映日:2022年8月19日
カラー/1.66:1/5.1ch/102分
配給:アンプラグド
©1994 Jet Tone Productions Ltd.
©2019 Jet Tone Contents Inc.
1994年 フェロー諸島映画祭 観客賞部門 作品賞
 ゴールデン・トレイン賞監督賞(ウォン・カーウァイ)
1994年 ストックホルム映画祭
 FIPRESCI賞(ウォン・カーウァイ)
 女優賞(フェイ・ウォン)
1994年 台湾金馬奨 主演男優賞(トニー・レオン)
1995年 香港金像奨 作品賞
 監督賞(ウォン・カーウァイ)/主演男優賞(トニー・レオン)
 編集賞(ウィリアム・チョン、コン・チーリョン、
     ハイ・ギットワイ)
1995年 香港映画批評家協会賞 推薦映画

story

 刑事223号のモウ(金城武)は別れた恋人が忘れられず、ポケベルにメッセージを残し続ける。もうすぐ自分の誕生日だが、孤独感からいろんな知り合いに電話をかけまくる。場所はセントラルの小食店ミッドナイト・エキスプレスにある公衆電話だ。コンビニやスーパーで彼女が好きだったパイナップルの缶詰を探し、誕生日が賞味期限の缶詰を買いあさる。記憶の缶詰があればいいのに。

 サングラスをかけた金髪の女(ブリジット・リン)はドラッグディーラー。重慶マンションにたむろするインド人を集め、金を渡して運び屋をやらせようとするが、彼らは空港に現れない。愛人関係にある元締めの西洋人に騙されたのだ。彼女は拳銃を持って一味と元締めを探し出す。バーで一息ついていると、モウが声をかけてくる…。

 ミッドナイト・エキスプレスに新しい店員フェイ(フェイ・ウォン)が入った。カリフォルニア行きの資金を貯めようと、親戚を頼って大陸からやって来たのだ。その地区を担当する警官663号(トニー・レオン)は、見回りが終わると、いつもその店で夜食を買って帰る。ヒルサイド・エスカレーター沿いにある彼の部屋では、恋人のスチュワーデス(ヴァレリー・チョウ)が待っていた。

 フェイはいつも大音量でママス&パパスの「夢のカリフォルニア」をかけている。店に慣れた頃、警官663号は失恋したようだ。フェイは彼のことが気になっていた。ある日、スチュワーデスが警官への手紙を置いていった。だが、彼はその手紙をなかなか受けとらない。中には部屋の鍵が入っていた。フェイは買い出しの時に彼のあとをつけ…。

アジコのおすすめポイント:

オシャレな香港映画、ウォン・カーウァイの代名詞となったのが『恋する惑星』。活気のあった頃の香港の街を浮遊するように生きる、移民、怪しい労働者、警官、刑事、ドラッグディーラー、スチュワーデス。ネイザンロードの端っこにある重慶マンションと雑多なストリート、香港島のエリートが集うセントラル界隈、まさに森林のような香港を惑星に見立てたナイスなタイトルと、フェイ・ウォンが歌う「夢中人」が当時、流行に敏感な若者やファッション誌、さまざまなメディアで取り上げられました。ミッドナイトエキスプレス、ヒルサイド・エスカレーター、ランカイフォン(蘭桂坊)と、たくさんの観光スポットも生まれました。久しぶりに観て懐かしい思いはもちろんしたのですが、それよりもなによりも、新しい!美しく鮮やかに蘇った4K映像は、初めて観た時のようにビビッドに眼とハートにぐぐっと迫ってきます。新鮮でちっとも古びていないのです。今、観ても斬新に感じるのはウォン・カーウァイの才能とセンスのおかげ。タランティーノが惚れるのもうなずけます。アイコンとなったフェイ・ウォン、金城武は若々しくて、へんてこでフレッシュだし、大御所のブリジット・リンは『グロリア』みたいでかっこいい。昔は憧れだった香港警察の制服で現れるトニー・レオンの若く色っぽいこと。潤んだ眼に殺られるのも納得です。失恋して、痩せてしまった石鹸に「お前、太ったなあ」って…気づけよ!楽しい場面が満載の作品です。

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▼公式サイト ▼予告編