story
1962年。スエン夫人(レベッカ・パン)の屋敷に間借りしたチャン夫人(マギー・チョン)とチャウ(トニー・レオン)は、同じ日に引っ越してくる。部屋は隣同士だ。チャン夫人の夫(声:ロイ・チョン)は多忙な商社マンで、日本へ出張することが多かった。彼女も秘書として働いている。チャウは新聞社で働き、妻(声:エイリアン・スン)も外で働いていた。二組の夫婦は、麻雀好きなスエン夫人たちと一緒にテーブルを囲むこともあった。
夫が出張がちのチャン夫人は、一人で路地の奥にある食堂へ夕食を買いに行くことが多かった。チャウの妻も実家へ帰ったり、旅行したりと不在がちだ。チャウは残業したり、友人と酒を飲んだり。路地の食堂で夕食を食べることも増えた。だがある日、チャン夫人は隣で夫の声を聞き、緊張して部屋を訪ねる。チャウの妻はごまかすが、二人は一緒だった。チャウの友人も外で目撃していた。
ついに、チャウはチャン夫人に「話がある」とレストランに誘う。チャウの妻が持っているハンドバッグ、チャウが妻からもらったというネクタイ。それはどちらも日本でしか手に入らない。そして、チャン夫妻も同じものを持っていた。互いの夫と妻が浮気しているのは明白だった。二人は黙々とステーキを食べ、その後、何度も食事する。
小説家になりたかったチャウは、このことを小説にするため部屋を借りる。2046号室。チャン夫人は原稿作りを手伝い、アイデアを出し、それぞれの役柄を演じてみたりした。二人の時間は楽しかったが、一線を越えることはなかった。チャン夫人が離婚することはないだろう。チャウはそう思っていた。彼はカンボジア支局へ移ることにする…。
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