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ASICRO GOURMET file no.14

「アジアン・デザート」シリーズ13・韓国
掲載日:2006.12.20
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福餅いろいろ

福餅いろいろ(左よりインゾルミ、ギョンダン、ソンピョン、コンチャルトック)

陳列棚

きれいに並んだお餅たち。
小パックは500円から。

 お正月も近いので、今回は韓国餅菓子のお店をご紹介します。東京のコリアンタウン新大久保にある鐘路福餅屋。こちらは韓国の伝統的な餅菓子を製造・販売し、カタログでの注文も受け付けています。

 韓国のお餅といえば、まず浮かぶのがトックやトッポギ。これらは炒めたり、鍋や雑炊に入れて食べるのが主流。食事としてのお餅です。原料は同じなので、もちろんトックやトッポギも扱っていますが、このお店の主役は甘い餅菓子たち。その種類の多さと美しさにはびっくりします。

 今でこそ、韓国に旅行するとあちこちに観られる餅菓子屋ですが、昔は王様や貴族だけしか食べられなかった高級菓子。庶民の口に入るようになったのは、ここ数十年のこと。それも、お盆やお正月、誕生日など、特別なお祝い事がある時に、買って食べるものだそうです。

 いろいろあるお餅の中から、いくつか選んでいただき、少しずつ試食してみました。

 茶色の丸いぼた餅状のものはギョンダン。キビと小豆の入ったススギョンダンは、7歳になるまでの子どもが魔よけとして、親から食べさせられるものとか。今回いただいたのは小豆とシナモンがまぶしてあり、中に小豆の餡が入っていました。お餅は柔らかめで、日本の大福感覚ですが、甘味はぐっと控え目です。

インゾルミ

インゾルミ。
日持ちがするお餅。食事代わりになることも。

コンチャルトック

コンチャルトック。
黒豆と金時豆にはさまれている。甘さは控えめ。

 お月見団子のような三色の丸いお餅はソンピョン。韓国ではお盆に代表される餅で、お祝いにもよく食べられるとか。ヨモギとチェリージュースで色づけしてあり、中には黒砂糖と炒りごま、きな粉の餡が入っています。

 きな粉と黒ごま、うぐいす粉の3色が美しい短冊状の餅、インゾルミはこのお店の人気商品。中味はお餅だけですが、このお店独自の製法で比較的日持ちがするように作られており、アメリカへ買って帰る人もいるそうです。また、胃の調子が悪くて食事できない時は、ご飯の代用にもなるとか。

 以上の3点は伝統的なお菓子の種類。おすすめとして選んでいただいたのは、黒豆と金時豆に挟まれたお餅、コンチャルトック。見た目は甘そうですが、豆はどちらかというと塩味でやや固め。甘さは控え目ですが、噛むとモチモチして豆本来のほんのりとした甘味が味わえます。

 日本の団子やお饅頭と違って、全体的に餅の量が多いので、少量でもかなりお腹いっぱいになります。甘味はどれも薄く、餅米または米のみで作られているので、どれも弾力がありしっかりしています。まさに餅菓子。ご飯です。無添加の製品なので日持ちはしませんが、冷凍保存も可。味は落ちますがレンジでチンもできるそうです。

 最後にメッセージをいただきました。「韓国との交流がだんだん多くなると思うので、エンターテイメント以外にも、食事に興味をもっていただければと思います。食事の中でも伝統的な餅を召し上がってみて、機会があれば、いろいろな話を聞きたいです」


韓国伝統餅菓子 鐘路福餅屋 新大久保(東京)

鐘路福餅屋"

この地で餅菓子屋を始めて、約9年という鐘路福餅屋。製造・販売をしているため、お店はほとんど24時間営業。21時から3時間だけクローズしています。カタログによる全国配達もあり、こちらは0時〜21時受付。お店には常時14〜20種類のお餅が並びます。定番のトックやトッポギも販売しており、こちらはお正月の主力商品とか。開店祝い、誕生日、結婚式とお餅の出番は多く、専門店も少ないだけに繁盛しているようです。デパートなどへの出店はないので、気になる方は直接お店を尋ねるか(職安通りのampmを通り過ぎ1つめを左折)、カタログを取り寄せてみてください。



鐘路福餅屋 データ

東京都新宿区歌舞伎町2-41-3
●TEL/03-3232-6680
●営業時間/00:00〜21:00
●定休日/旧正月休みあり
●最寄駅/
 JR新大久保駅(西口)


 店員さん

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