気軽に漢方!「涼茶」篇
2004年7月15日
7月も半ばを過ぎ、香港も夏真っ盛り! 香港の夏は基本的に5月〜10月。ようやく折り返し地点に辿り着いたと言うところだけどやはり暑い! からみつくような湿気と暑さを回避する為に老若男女、誰もがどの街にも何軒かは必ずある涼茶舗で、御飯茶碗ほどに入った黒い涼茶を一気に飲み干して、賑やかな街へ消えていきます。
この暑い最中に寝つきの良くなる私的お勧めは、「廿四味茶(ヤーセイメイチャ)」。その名の通り24種類の漢方を煎じたモノで、涼茶などと言うと冷たいものを想像しますが、暖かい飲み物です。店によって色は真っ黒から茶褐色と違いますが、色の期待を裏切らない苦さ! 本気で苦いです。
効能は、身体の持っている余分な熱気を抑えるそう。確かに数時間後には涼しくなります。高カロリーなもの、脂っこいものなどを食べた後にも胃腸の働きを助け整える効果があり、吹出物にも効くとか。なので、苦くても我慢できちゃう魅惑的なお茶なのです。
飲み易さでは「五花茶(ンーファーチャ)」。一口目のほのかな菊の香りがよく、アロマ気分で味わえちゃう甘めのお茶です。こちらは肌がジトーッとしたムンムンの熱気に効きます。汗が引くって雰囲気なのかな。食べ過ぎにも一押し。飲み口が軽めなのでグイグイいけちゃうけれども、やはり漢方、飲み過ぎは禁物です。
どちらのお茶も一日一杯が基準です。また、この2つのお茶は、冷え症や虚弱体質、痩せ型、妊婦さんは控えた方が無難です。そして身体を冷やす性質があるので女性は飲む時期を考えて下さい。
この2つが味わえて、尚且つ「効きそう!」な私のお勧め店は、1938年に茶樓として開業し、50年代に今のスタイルに落ち着いたという中環(セントラル)の老舗「春回堂薬行」です。中醫(中国伝統医学)も営んでいる折り紙つき。ここの廿四味は濁りの少ないタイプ。味はやはり苦いけれど、さらりとノドを通ります。場所はSOHOへの架け橋、800メートル続く動く歩道のヒルサイド・エスカレーターの下に位置してます。
いつも通う近所でお気に入りの一軒は、紅[石勘](ホンハム)にあり、気さくな店主が笑顔で迎えてくれる「周記涼茶館」。街市の目の前にあり、住民の憩いの場所といった雰囲気です。ここには廿四味や五花茶以外にも「酸梅湯(シュンムイトン)=これも解暑の烏梅と甘草の香ばしいお茶」や「亀苓羹(グワイリンゴウ)=ご存知亀ゼリー」などもあります。ちなみに、ここの廿四味は真っ黒で苦味はソフトです。
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