香港湿地公園と流浮山の海鮮
2006年5月20日
立ち並ぶ高層ビルや、エネルギッシュでにぎやかな街が定番イメージの香港ですが、中国よりの新界(ニュー・テリトリー)地区には意外なほどの自然が残っていて、野鳥保護区や自然保護区などが広がっています。今回は、天水圍にこの日オープンしたばかりの香港湿地公園に行ってきました。
天水圍へは各地区からバスも出ていますが、今回は軽鉄(ライト・レイル)に乗ってみようということで、地下鉄美孚(メイフー)駅で西鉄に乗り換えて天水圍駅へ。天水圍から軽鉄で香港湿地公園駅に向かいました。
軽鉄はその名の通りこじんまりした電車で、改札も踏み切りもありません。地下鉄・バス・KCR全て共通のプリペイドカード・八達通(オクトパスカード)のチェッカーが数台置いてあって、乗客は自主的にカードをかざして乗り込みます。こんな適当なことでいいのかしら?と思っていたら、乗車途中で車掌さん登場。「切符を拝見しまーす」という感じで、乗客の八達通をチェックしていました。
天水圍は大規模な団地で、40階建てぐらいの高層マンションが立ち並んでいます。軽鉄の駅名は「天慈」「天湖」などほとんど「天」がつくのですが、なぜかその中に「銀座」という駅が。これは、この駅前にあるショッピングセンターが「嘉湖銀座」という名前だからなのですが、駅の英語名も「Ginza」になっているのが笑えます。付近には「有楽町」「日比谷」という看板も。ここは東京か??
さて、天水圍から15分ほどで湿地公園駅に到着。駅の右側は立ち並ぶ高層マンション、左側は湿地公園の広大な敷地(61ヘクタールだそう)と、対照的な風景が広がっています。駅から陸橋を渡り、来た方向へ戻る形で5分ほど歩くと、湿地公園の入口に到着。チケットを買って中に入ると、まず中央に「湿地探索中心」という大きな建物があり、その両側は芝生の丘になっていて、この上から公園を見下ろすことができます。
探索中心の中は、湿地の生き物などをビデオで紹介する「湿地世界」や、世界の様々な地域の伝統文化を紹介する「人類文化」、自然破壊について学習できる「湿地挑戦」などのセクションに分かれていて、どれも予想以上にお金がかかっているであろう凝ったつくり。特に「湿地挑戦」では、TVレポーターになって自然破壊の模様をレポートする放送シュミレーションや、自然を保護しながらの街づくりをテーマにしたコンピュータ・ゲームなどがあり、なかなかの人気ぶりでした。日本人の来場を期待しているのか、これらの映像ものには日本語表示がついています。
一通り館内を見てから外へ。地球上に生息する動植物の40%がここに集められていると看板には書いてありましたが、オープンしたばかりだからか、それとも人が多すぎてみんな隠れているのか、正直言ってそれほどたくさんの生物がここにいるのかな?という感じ。それでも片手だけに大きなはさみを持つ赤いカニや水辺の鳥、トンボの大群などを見ることができました。
この日はこの時期の香港にしては気温が低く、涼しい風が吹いてなかなか良い気持ち。水上を渡る手すりなしの板張りの道や揺れる浮橋などもありますが、基本的にはのんびりブラブラ、ゆったりと自然に親しむための公園です。
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