力道山(力道山/Rikidozan)
story
1944年、第2次大戦下の東京。力士になるために朝鮮から渡って来た通称・金(ソル・ギョング)は、先輩力士の暴力と虐めに耐える日々を送っていた。そんなある日、空襲警報で逃げ惑う人々の中に一人の女性を見つける。三味線を抱えた彼女は、芸子の綾(中谷美紀)だった。一緒に避難した防空壕で初めて言葉を交わし、金は似たような境遇に親近感を覚える。
綾は先輩力士の後見人・菅野(藤竜也)に身請けされ座敷にあがっていた。金は一計を案じて、菅野に相撲への熱意をアピール。自分の後見人になってもらう。そして菅野から四股名「力道山」を頂戴し、祝いに欲しいものはないかと尋ねられると、「綾をください。」と答えるのだった。
1951年。力道山は相撲協会へ乗り込んで怒りを爆発させていた。関脇として勝ち続け、大関昇進が確実視されていたにもかかわらず、番付表に名前がなかったのだ。協会関係者に詰め寄る力道山。そこには朝鮮人であることの壁が存在していた。
怒りがおさまらない力道山は、役員の前で「俺の運命は、俺が決める!」と自ら髷を切る。さらに母親の訃報が届き、絶望にうちひしがれた彼は、酒場である男と出会う。彼の名はハロルド坂田(武藤敬司)。彼を訪ねて行った先で、国籍や人種の壁が存在しない西洋のスポーツ「プロレス」を知った力道山は、菅野に渡米費用を懇願し、綾を残して単身アメリカへ渡る。
渡米した力道山は、華々しくデビューして連戦連勝をかさねていた。その活躍ぶりは日本でも伝えられ、綾と菅野は喜びを胸に彼の帰国を待ちわびていた。
1953年3月。帰国した力道山に世間の風は冷たかった。全国の興行主が集まる中、力道山は熱い思いを語った「どうか私を見ないで、私の志を見て下さい。」そして7月、力道山は菅野と共に「日本プロレス協会」を立ち上げる。
●アジコのおすすめポイント:
一番の見どころは、なんといってもソル・ギョングでしょう! 前作の『シルミド/SILMIDO』とは、まさに別人のような堂々とした体格。「韓国のロバート・デ・ニーロ」と呼ばれるのも納得です。しかも、ほとんどのセリフは日本語。迫力の空手チョップとプロを相手にスタントなしの流血レスリング。撮影終了時には激しく泣いたという渾身の演技を、スクリーンでぜひご堪能ください。
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