暗いところで待ち合わせ
(Waiting in the Dark)
story
交通事故が原因で視力を失ったミチル(田中麗奈)は、父(岸部一徳)と二人で静かに暮らしていた。そんな最愛の父親が突然、病死。ミチルは深い悲しみを胸に、たった一人の生活を始める。身の回りの家事を一人でこなすミチルの生活は、一見静かで穏やかに見えたが、その心の中は不安と孤独が今にも溢れ出しそうだった。
毎朝、日差しを感じるかのようにカーテンを開け、窓を開け放って新鮮な空気を吸うのが、ミチルの日課だった。家の前には駅があり、電車の音が聞こえる。ある朝、いつものように急行電車がホームを通過する音が聞こえた。しかし、いつもと違ったのは、静かな朝を切り裂くように鳴り響く電車の警笛、耳障りなブレーキ音…その音の違和感から、何かが起こったという胸騒ぎを感じた。
午前9時5分、突然家のチャイムが鳴った。ドアを開けるミチル。「どなたですか?」彼女の目が見えないことを確認すると、男は素早く家の中に忍び込み、ミチルに気づかれないよう息を潜めて、居間の隅の窓の下に居座った。彼の名前はアキヒロ(チェン・ボーリン)。TVでは、今朝起こった駅の転落事故のニュースが流れている。殺人事件の疑いもあるとして、警察は現場から逃走した同僚の男を追っていた。それは、アキヒロだった。
ミチルはいつもと同じ生活を送っていたが、次第に違和感を感じ始める。朝食用の食パンが減っていたり、夜物音がするだけでなく、かすかな人の気配がしたり。こうして、ミチルとアキヒロの不思議な共同生活が始まった…。
●宣伝担当者のおすすめポイント:
人気若手作家、乙一の大ベストセラー小説がついに映画化。この作品を繊細な心理描写で見事に映像化したのは今村昌平作品の脚本家としても知られ、その長男である天願大介。主役を演じるふたり、盲目の女性を見事に演じきった田中麗奈と抜群の存在感で心に闇を抱えた殺人事件の容疑者を演じたチェン・ボーリンの演技に注目です。
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