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キムチを売る女

監督・脚本:チャン・リュル
撮影:ユ・ヨンホン
美術:チャン・ヘ
録音:ワン・ヨン
キャスト:リュ・ヨンフィ/キム・パク/ジュ・グァンヒョン/ワン・トンフィ

2005年/韓・中
日本公開日/2007年1月27日
カラー/ビスタ/ドルビーSRD/109分
配給協力:ダゲレオ出版+マジックアワー
2005年 カンヌ国際映画祭 批評家週間ACID賞
2005年 ペサロ国際映画祭 ニューシネマ部門グランプリ
2005年 釜山国際映画祭 ニューカレンツ部門グランプリ
2006年 ヴェズール国際アジア映画祭 グランプリ
2006年 ブラック映画祭(スイス) 若い作家賞
2006年 シネマノボ映画祭(ベルギー) グランプリ
2006年 トゥールアジア映画祭(仏)グランプリ/観客賞
2006年 インディー・リスボン映画祭 国際映画批評家連盟賞
2006年 バルセロナ映画祭 グランプリ
2006年 インスブルック映画祭
 最優秀監督賞(チャン・リュル)
2006年 シアトル映画祭 審査委員特別賞
2006年 ダーバン映画祭 最優秀監督賞(チャン・リュル)
 最優秀主演女優賞(リュ・ヨンフィ)
2006年 スプリット映画祭(クロアチア)特別賞
キムチを売る女(芒種/Grain In Ear)

story

 中国北部のある田舎町。故郷から遠く離れ、樹木も育たない不毛の土地で、朝鮮族のチェ・スンヒ(リュ・ヨンフィ)は、線路沿いの粗末な家で息子チャンホ(キム・パク)と暮らしている。服役中の夫と別れ、母子2人でこの地に来たものの、スンヒはいつか故郷へ帰る日を夢見ていた。

 三輪車を引きながらキムチの露天商で生計を立てる毎日。淡々と日々真面目に過ごすスンヒは、何人かの男と交流を深めていく。キム(ジュ・グァンヒョン)もその1人。朝鮮族同士という間柄で心を許し合うようになったが、彼は結婚しており、密会中の2人のもとに妻が押しかけてくる。妻の前で、キムはスンヒを娼婦だと偽り保身を計った。

 スンヒは売春容疑で留置所に連行されるが、警察には顔見知りのワン警官(ワン・トンフィ)がいた。常連客の彼は、スンヒに露天の営業許可申請の世話をしてくれていた。かすかな希望を抱いたスンヒだったが、酒に酔った彼は彼女を逃がす代わりに肉体関係を強要する。

 出会った男たちは、親切な仮面の下でスンヒを欲望の対象としか見ていなかった。スンヒは息子と故郷へ帰ろうと思いはじめるのだが…。

●アジコのおすすめポイント:

舞台は中国の田舎町。セリフも大半が北京語で、韓国映画というよりも中国映画の雰囲気を漂わせています。主演のリュ・ヨンフィはちょっとマギー・チャン似。中国に流れ着いた朝鮮族の女が、息子のためにしたたかに生きる姿を、女の弱さや業も絡めながらリアルに演じます。音・映像・色…と、映画製作のキャリアが浅いにも関わらず、独特の表現で描くチャン・リュルの世界は、荒削りながらも強烈な個性を放っています。

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