孔雀/我が家の風景（孔雀/Peacock）
story
感受性が鋭く、自由に憧れるウェイホン（チャン・チンチュー）は、突飛な行動が多く、家族の中で浮き上がっている。工場での仕事が気に入らず、保育所での仕事にも身が入らない彼女は、ある日、空から降ってきた落下傘部隊の将校に出会い、恋心を抱く。そして部隊に志願するが、入隊は認められなかった。
夢が叶わず、拒食症になるまで落ち込んだ彼女は、自分で落下傘を縫い合わせると、自転車の後部につけて町中を走り回り人々を驚かせた。やがて、工場長の運転手に見初められ結婚するが、長続きはせず家に戻って来る。
ウェイホンの一家は、精神障害を持つ体の大きな兄ウェイクオ（ファン・リー）の面倒を家族ぐるみでみていた。負担になったウェイホンと弟のウェイチャン（ルゥ・ユウライ）は、ある夜、兄にネズミ駆除の毒薬を飲ませようとするが、未遂に終る。やがてウェイチャンは、兄を中心にした家族の鎖から逃れるため、故郷の町を飛び出した。
ウェイクオの人生を不憫に思う母（フォアン・メイイン）は、足の不自由な農家の娘ジンズィに彼の嫁になってくれるよう懇願する。ジンズィは屋台を出す資金を出してもらうことを条件に、彼と結婚する。
●アジコのおすすめポイント：
『さらば、わが愛/覇王別姫』で世界でも有名になったクー・チャンウェイの初監督作品。文革が終った1977年以降を背景に、ある田舎町で暮らす一家の人生模様を、主人公とその兄、弟の3人を軸にして、順に描いていきます。飛び出したいのに飛べなかった主人公、飛び出したけどあまりよい人生でなかった弟、障害を持っているけど商才ある嫁に恵まれた兄、と様々な人生なれど、ラストシーンでは皆それぞれの幸せに包まれています。気丈な母親を演じるフォアン・メイインが、確かな演技力で印象的。おさげの少女から大人の女性までを演じるチャン・チンチューも見所です。
▼公式サイト 閉じる
|