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インビジブル・ウェーブ

監督:ペンエーグ・ラッタナルアーン
脚本:プラープダー・ユン
撮影:クリストファー・ドイル
編集:パタマナッダー・ユコン
美術:サクシー・ジャンランシー
音楽:フアラムポーン・リッディム
衣装:TAKEO KIKUCHI(キョウジ&リザード)
キャスト:浅野忠信/カン・ヘジョン/エリック・ツァン/光石研/マリア・コルデーロ/トゥーン・ヒランヤサップ/久我朋乃

2006年/タイ・オランダ・香港・韓国
日本公開日/2007年5月26日
カラー/ビスタ/ドルビーSRD/115分
配給:エスピーオー
{c)2006 Invisible Waves B.V.
2006年 ベルリン国際映画祭コンペティション部門正式参加作品
2006年 バンコク国際映画祭オープング上映作品
*他、全部で22の国際映画祭にて上映

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インビジブル・ウェーブ(Invisible Waves)

story

 キョウジ(浅野忠信)の下宿に、ゴージャスな女セイコ(久我朋乃)が訪れる。女は腕のいい料理人である彼の手づくりディナーを堪能し、濃厚に愛を交わす。その後、彼女は裸のままもがき苦しみながら、息絶えた。彼がワインの中に毒を入れたのだ。

 翌朝、キョウジはマカオからフェリーで香港島に行き、レストランに出勤する。だがボス(トゥーン・ヒランヤサップ)から「閉店だ。休暇を楽しんでこい」と言い渡され、帰り道、頭に包帯を巻いた僧侶(エリック・ツァン)から切符や金などが入った書類袋を渡される。キョウジはボスに頼まれて彼の妻を殺し、プーケットでの休暇を命じられたのだ。

 隣人のマリア(マリア・コルデーロ)に「手紙を出すよ」と別れを告げ、キョウジは船に乗り込む。その彼を、アロハシャツを着た男(光石研)が密かに監視していた。船底にあるキョウジの部屋は、階上の豪華な客室とは雲泥の差で、シャワーも折り畳みベッドもいかれていた。

 甲板で、キョウジはサングラスをかけた若い女性ノイ(カン・ヘジョン)と知り合う。「この旅は恋人からのプレゼントよ」と話す彼女は、赤ん坊の娘ニドとの2人旅だった。ノイはニドをキョウジに預けてプールで泳ぐなど、自由気ままにふるまう。船の中で次々と奇妙な体験を重ねながら、キョウジはノイとニドに愛情を感じ始めていたのだが…。

●アジコのおすすめポイント:

マカオと香港、プーケット、そして海を舞台に、無国籍でなんとも不思議な物語が、奇妙なサスペンスをはらみながら進行します。日本人俳優がかなり出演しているので、日本語のセリフもあり。タケオ・キクチのスーツを身にまとった男たちが、クリストファー・ドイルの独特な映像の中で繰り広げる物語には、様々な記号や伏線がはりめぐらされ、視覚も思考も刺激してくれます。そして、どんな役も自然体でこなす浅野忠信の飄々とした存在感はさすが。いつまでも不思議な余韻が残る作品です。

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