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私たちの幸せな時間

監督:ソン・ヘソン
原作:コン・ジョン「私たちの幸せな時間」
   *日本語版 翻訳/蓮池薫(新潮社刊)
脚本:ジャン・ミンソク、パク・ウニョン
撮影:パン・スンギ
編集:パク・コッチ
音楽:イ・ジェジン
キャスト:カン・ドンウォン/イ・ナヨン/ユ・ヨジョン/カン・シンイル

2006年/韓国
日本公開日/2007年7月14日
カラー/スコープサイズ/ドルビーデジタル/124分
配給:デスペラード
2006年 春史大賞映画祭
 最優秀脚本賞(ジャン・ミンソク、パク・ウニョン)
2006年 大韓民国映画大賞
 ネチズン観客賞(イ・ナヨン、カン・ドンウォン)

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私たちの幸せな時間(私たちの幸せな時間)

story

 3度目の自殺に失敗した冬、ユジョン(イ・ナヨン)はシスターの叔母(ユ・ヨジョン)に連れられて刑務所へ行った。彼女がかつて歌った愛国歌を聞きたがっている囚人がいるというのだ。面談室に現れたその男、ユンス(カン・ドンウォン)は死刑囚で、硬く心を閉ざしていた。貧しく不幸な境遇にいた男と、裕福で華やかな女。あまりにも違いすぎる2人は、ひねくれた言葉や冷たい言葉をかけ合う。

 しかし、何度か面談を重ねる内に、2人はお互いが似ていることに気づく。少しずつ警戒心を取り除き、お互いの心をのぞき始めた2人は、それぞれの荒んだ心にほのかなぬくもりを感じるようになる。そして、親切な主任(カン・シンイル)に見守られながら、今まで心の中にしまってきた真実の物語を語り始めるようになっていった。

 信じていた母親に裏切られた悲しみを語るユジョン。一人で罪を背負って人生を終えたかったユンス。顔をそむけてきた心の傷をさらけ出し、慰め合いながら、2人は初めて人生と愛に対して希望を持つようになる。ユジョンはユンスに渡すために、外の世界の写真を撮りはじめる。ユンスも次第に明るさを取り戻し、面談日を心待ちにするようになった。

 ユンスは生まれて初めて生きたいと思うようになり、ユジョンはもう死のうとは思わなくなる。毎日が木曜日であってほしい。そんな願いで胸がいっぱいになった頃、二人に残された時間はあとわずかだった…。

●アジコのおすすめポイント:

人生に絶望して心を閉ざしていた主人公たちが、互いの中に自分を見つけ、愛を感じて癒されていく物語です。最初はぎこちなかった2人が次第に打ち解けていく姿を、淡々と静ひつに描いており、若く美しい俳優2人による会話と演技のアンサンブルが光ります。カン・ドンウォンもイ・ナヨンも、この難しい役柄を見事に演じています。結末は無情ですが、悲しみの中にも突き抜けたような清涼感が残り、幸せとは何か?をしみじみと考えさせられます。


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