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オフサイド・ガールズ

監督・編集:ジャファル・パナヒ
脚本:ジャファル・パナヒ、ジャドメヘル・ラスティン
撮影:ハマムード・カラリ
美術:イラジュ・ラミンファル
音楽:コロシュ・ボゾルグプール
キャスト:シマ・モバラク・シャヒ/サファル・サマンダール/シャイヤステ・イラニ/M.キェラバディ/イダ・サデギ/ゴルナズ・ファルマニ/マフナズ・ザビヒ/ナザニン・セディクジャザデ

2006年/イラン
日本公開日/2007年9月1日
カラー/ビスタサイズ/ドルビー/92分
配給:エスパース・サロウ
2006年 ベルリン国際映画祭 審査員特別賞(銀熊賞)
2006年 リュブジャナ国際映画祭
 アムネスティ・インターナショナル最優秀作品賞
2006年 東京フィルメックス
 アニエス・ベー・アワード(観客賞)

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オフサイド・ガールズ(Offside)

story

 サッカーはイランの国民的スポーツ。男性だけでなく、女性もサッカーが大好きだ。だが、女性がスタジアムで男性のスポーツを観戦することは、法律で禁止されている。女性たちは、家でテレビ観戦をするしかなかった。

 今日の試合は、ワールドカップ出場がかかった大事な一戦だ。大騒ぎのサポーターたちを乗せたスタジアム行きのバスが列をなし、その中に、ひっそりと座っている青年…いや、少女がいた。彼女はどうしても、スタジアムでサッカー観戦がしたくて、男装してバスに乗り込んでいたのだ。

 男から見れば一目でわかる変装だったが、気持ちはわかる。同乗していたサポーターの中には、面倒が嫌で無視する者もいれば、守ってやろうとする若者もいたが、彼女は頑に群れから離れていた。なんとかスタジアムに辿り着き、法外な値段でダフ屋からチケットを買ったものの、入場チェックはきびしく、彼女はゲートで捕まってしまう。

 連れて行かれたのは、スタジアムの外の一角にある仮設の留置場。そこには、彼女だけでなく、男装して捕まった少女たちがいた。どう見ても男の子みたいな子までいる。壁の向こうからは、始まった試合の歓声が聞こえ、少女たちはせめて実況中継して欲しいと兵士に頼み込む。

 トイレを我慢していた少女は、スタジアムの中の男性トイレの使用が許され、女とわからないように顔にポスターをつけさせられる。兵士の監視のもとでトイレに入った彼女は、他の観客たちと兵士が一悶着を起こしているすきに、スタジアムの中へ逃走するのだが…。

●アジコのおすすめポイント:

日本では想像もつかないようなことが、外国にはあるんですねえ。しかも理由が「男たちが興奮して汚い言葉を吐くから」とは。トイレの落書きも見てはいけない、などなど…女性が守られているのか、差別されているのかわかりませんが、当の男性たちもはっきりとした理由はわからないようです(笑)。そんな風に、問題がユーモラスに描かれているところが秀逸。兵士たちの事情も垣間見えて、そちらにも同情します。少女たちがいきいきしていて、とても素人とは思えません。彼女たちが法律を変えていけるとよいですが。


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