サイボーグでも大丈夫 (I'm a Cyborg, but That's OK)
story
ラジオの組立工場で働いていたヨングン(イム・スジョン)は、ある日、自分の身体に電流を通してしまい、自分はサイボーグだと信じるようになる。そんな彼女が連れて来られたのは、突飛な想像と空想に満ちた新世界精神クリニックだ。ヨングンは、蛍光灯を叱ったり、自動販売機に「ご苦労さん」と声をかけた。
ヨングンには、自分のことをかわいがってくれたおばあちゃん(ソン・ヨンスン)がいた。だが、おばあちゃんが療養所に送られて以来、頭のネジがちょっとおかしくなっていた。仕事で忙しいヨングンの母親(イ・ヨンニョ)は、「私はネズミよ」と言っていたおばあちゃんと自分の娘が、同じようにビョーキだとは認めたくない。
そんなヨングンに目をとめたのは、同じ年頃のイルスン(チョン・ジフン)だ。人のものなら、特徴でもなんでも盗むことができるイルスンに、ヨングンは自分がサイボーグであることを打ち明け、お願いをする。「盗んでください。私の同情心を。殺したいのに殺せないこの気持ちを…」サイボーグ? 同情心を盗む? わけがわからないイルスンは、しばらくヨングンの行動を観察することにする。
そして、ヨングンのパワーダウンの原因をつきとめる。ご飯を食べると機械が壊れると思ったヨングンは、食事を食いしん坊のコプタン(パク・チュンミョン)に食べてもらい、自分は電池を舐めていたのだ。さらに、おばあちゃんを連れ去ったホワイトマンを倒して、おばあちゃんを早く助けなくてはならないのに、同情心が捨てられなかったのだ。サイボーグのくせに…。
●アジコのおすすめポイント:
あのパク・チャヌク監督が、ヘビーな復讐3部作を撮り終えた後、次の作品に入る前の箸休めとして作った作品。皆が気楽に笑って楽しみ、自分の娘にも見せられるような物語にしたいということで、ほんとうに童話のような不思議でかわいい作品に仕上がっています。注目したいのは、やはり主演のRain ことチョン・ジフンと、ドラマ「ごめん、愛してる」でもキュートだったイム・スジョン。この二人だからこそ、この不思議なキャラクターを自然に演じられたのではと思います。病院のセットは細部まで工夫されており、患者だけでなく医者や看護婦さんたちもユニーク。二人の恋がどんな風に進んでいくのか、童心に戻って楽しみましょう。
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