白い馬の季節
(季節中的馬/Season Of The Horse)
story
干ばつが続き、砂漠化した内モンゴルの草原。遊牧民ウルゲン(ニンツァイ)の家でも、牧草は枯れ果て、毎日のように羊たちが餓死していた。このままでは息子フフーの学費すら払えず、学校へ通わせることもできない。追いつめられたウルゲンは、親戚のもとへ牧草地を借りに出かけるが、状況はまったく同じで、他人に貸せる余裕などなかった。
妻のインジドマ(ナーレンホア)は、年老いた白馬のサーラル(モンゴル語で「白」)を売り、町でお茶屋でも開いて暮らそうと訴えるが、ウルゲンは長年寄り添ってきた愛馬を手放し、遊牧民の暮らしを捨てる決心がつかないでいた。
ウルゲンは牧草地を求めて、例年より早く秋営地に移動しようとするが、そこは国によって自然保護区に指定されていた。長年自分が使って来た土地を勝手に鉄条網に囲われて、納得がいかないウルゲンは、鉄条網を破壊しようとした。が、役所の派遣した、言葉も通じない漢族の労働者に襲われ、袋だたきにされてしまう。
訴訟を起こそうと町へ出かけ、幼なじみで村の出世頭・画家ビリグに援助してくれと泣きつくが、ジンギスカンの末裔を自称し裕福な暮らしをするビリグは、まるで相手にしてくれない。
一方、革商人トゴーにそそのかされたインジドマは、息子フフーの学費の足しにしようと、街道沿いでヨーグルト売りに出かける。しかし、商売のことを知らないインドジマは、看板も出さず道路に佇んでいるだけなので、まるで商売にならない。途方に暮れるインジドマだったが、ある日ヨーグルトを高く買ってくれる男が現れた。親切な漢族の中年男性ツァオ(チャン・ランティエン)であった。ツァオは草原に憧れ、町の喧噪から逃げてきた男だった。
●宣伝担当者のおすすめポイント:
主演で監督のニンツァイはモンゴル族出身で、ゲルでの生活や遊牧生活の経験もあり、実際の内モンゴルを捉えたとてもリアリティのある作品に仕上がっています。また、実生活でも監督とパートナーである主演女優のナーレンホアも、共にモンゴル族出身で、遊牧民としての誇りや白い馬への想いから、決断を下せないでいる夫を影で支えながらも、より現実的で、とても芯の強いモンゴル女性を好演しています。モンゴルといえば、青々と茂った広い草原のイメージが強い方も多いと思いますので、こんなにも砂漠化が進んでいるという事実に驚かれるかもしれません。環境問題に関心のある方にも必見の作品です。
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