ユゴ 大統領有故
(その時、その人々
/The President's Last Bang)
story
1979年10月26日、午前9時20分。中央情報部のチュ儀典課長(ハン・ソッキュ)は、大統領(ソン・ジェホ)が利用しているリゾート施設で朝を迎えた。この朝も「大統領と恋愛関係にある」と主張する女性の母親(ユン・ヨジョン)をなだめすかせなくてはならなかったのだ。こうした尻拭いばかりの雑務に、チュ課長はうんざりしていたが、中央情報部トップのキム部長(ぺク・ユンシク)からは右腕としての厚い信任を受けていた。
その朝、大統領の地方視察に同行したのは、ヤン秘書室長(チョン・ウォンジュン)とチャ警護室長(クォン・ビョンギル)だけだった。権力の中枢で大統領への忠誠心争いをしているファミリーのもう1人、キム部長は同行していなかった。メンバー選定の決定権をチャ室長が持っていたからだ。3人のパワーゲームはすでに発火点を超えていた。
午後4時10分。キム部長は大統領から、今夜宴会を開きたいという知らせを受け、部下のミン大佐(キム・ウンス)とチュ課長に連絡を取った。そして、軍の最高指揮官である参謀総長も夕食に招待することを伝える。参謀総長を味方に抱き込めば、大規模なクーデターも可能となり、チャ室長を黙らせることができるからだ。
午後6時5分。宴会が始まった。大統領とヤン室長がハイペースで飲むのを横目に、チャ室長は最近の情報部の仕事ぶりについてキム部長を罵倒する。大統領も激しく彼を叱責した。いたたまれなくなったキム部長は、気づかれないように部屋を出ると、ミン大佐とチュ課長を呼び出して、大統領を今夜暗殺すると宣言。2人はショックを受けたものの、協力することに同意する。そして、午後7時30分…。
●アジコのおすすめポイント:
登場人物はすべて実在の人々だそうですが、あくまで史実に基づいたフィクションです。ブラックコメディとして愚かなパワーゲームを笑うもよし。暗殺に加担させられてしまった人々の顛末に同情するもよし。銃撃シーンには力を入れたそうなので、バイオレンス作品としても楽しめます。ハン・ソッキュの淡々としたクールな演技にも、ご注目を。
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