中国の植物学者の娘たち
(植物園/Les Filles du Botaniste Chinois)
story
大地震で両親を亡くし、孤児院で育てられたミン(ミレーヌ・ジャンパノワ)は、昆林医科大学の植物学者、チェン教授(リン・トンフー)のもとに実習生としてやって来る。彼の植物園は湖に浮かぶ孤島で、舟から降り立つと、ミンの目の前には濃い緑が生い茂り、鳥の鳴き声が響き渡っていた。
到着するなり教授は、時間を守らないとミンを怒ったが、父に服従する娘のアン(リー・シャオラン)は、同じ年頃のミンを暖かく迎え入れる。アンもまた、10才で母を亡くしてから、厳格な父と二人きりで孤独な暮らしを送っていたのだった。ミンとアンはある日、薬草を採りにワン先生の寺を訪れる。寺の山には、教授の心臓病に効くものもあるのだ。山では二人きりの楽しい時間が流れた。
その夜、ミンが温室に近づくと、薬草を蒸した上にまどろむ美しいアンの裸体を目にする。いつしか二人は、温室で甘いひとときを過ごす関係になっていった…。そんなある日、軍人の兄、タン(ワン・ウェイトン)が島に戻って来た。近所の結婚式にでかけた舟上で、教授は息子にミンを嫁にもらうように勧める。ミンを気に入ったタンは、翌日プロポーズの手紙を書き、妹に読み聞かせた。
兄の強引さに怒ったアンは、家を出てワン先生の寺へ駆け込み、泣き明かす。翌日、迎えに来たミンは「あなた以外は誰も愛さない」とアンに誓う。そしてアンもまた、単身赴任する兄と結婚すれば、二人は一生一緒に暮らせる、と提案するのだが…。
●宣伝担当者のおすすめポイント:
孤独なふたりの娘アンとミンが、湖上に浮かぶ植物園で出会い紡がれる純愛ラブストーリー。ふたりが植物園で織りなす美しい世界にうっとり。特に中国女優リー・シャオランのアジアンビューティーぶりは、チャン・ツィイーに負けてません! 純粋すぎるふたりの究極の愛に胸を打たれ、人を愛することの素晴らしさを改めて気づかせてくれる作品です。『小さな中国のお針子』のダイ・シージエ監督が芸術的な映像美で描く最新作に、ぜひスクリーンで酔いしれて下さい!
舞台がベトナムなだけに、中国のようで中国でない、無国籍なアジアの風景の中で物語が展開します。主人公のひとりがハーフなので、余計に無国籍なムードが。惹かれ合う二人の強さに比べ、教授も兄も男たちは皆保守的で弱い生き物として描かれているようです。美しい映像だけでなく、苛酷な愛の現実もきっちり描かれています。(アジコ)
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