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迷子の警察音楽隊

監督・脚本:エラン・コリリン
撮影:シャイ・ゴールドマン
編集:アリク・ラハヴ・レイボヴィッツ
音楽:ハビブ・シャハデ・ハンナ
キャスト:サッソン・ガーベイ/ロニ・エルカベッツ/サーレフ・バクリ/カリファ・ナトゥール/イマド・ジャパリン/シュロミ・アブラハム/ルビ・モスコヴィッチ

2007年/イスラエル、仏
日本公開日/2007年12月22日
カラー/1:1.85/ドルビーSRD/87分
配給:日活
2007年 カンヌ国際映画祭
 ある視点部門 一目惚れ賞/国際批評家連盟賞/ジュネス賞
2007年 イスラエル・アカデミー賞
 作品賞/監督賞(エラン・コリリン)/
 主演男優賞(サッソン・ガーベイ)/
 主演女優賞(ロニ・エルカベッツ)/
 助演男優賞(サーレフ・バクリ)/
 脚本賞(エラン・コリリン)/
 音楽賞(ハビブ・シャハデ・ハンナ)/
 衣装賞(ドロン・アシュケナジ)
2007年 イスラエル・エルサレム映画祭
 作品賞/主演男優賞(サッソン・ガーベイ)/
 主演女優賞(ロニ・エルカベッツ)/
 新人賞(サーレフ・バクリ)
2007年 ドイツ・ミュンヘン映画祭
 観客賞/シネヴィジョン賞
2007年 チェコ・カルロヴィヴァリ映画祭
 最優秀アジア映画賞
2007年 コペンハーゲン国際映画祭
 審査員特別賞/観客賞
2007年 アテネ国際映画祭 監督賞(エラン・コリリン)
2007年 チューリッヒ映画祭
 Variety 賞/Best new fiction 賞
2007年 モントリオール国際映画祭
 Variety 賞/Best new fiction 賞
2007年 東京国際映画祭 東京サクラグランプリ
2007年 ヨーロッパ映画祭
 主演男優賞(サッソン・ガーベイ)/European Discovery 賞
他 全34賞(2007.12.14現在)
迷子の警察音楽隊
(Bikur Hatizmoret /The Band's Visit)

story

 澄み切ったイスラエルの青い空。揃いの水色の制服に身を包み、空港に降り立った一団があった。エジプト警察所属のアレキサンドリア警察音楽隊が、イスラエルに新しくできたアラブ文化センターでの演奏を頼まれてやって来たのだ。しかし、空港に彼らを待っている人は誰もいなかった。

 誇り高い団長トゥフィーク(サッソン・ガーベイ)は、人の手を借りずに目的地に行こうと、若手団員カーレド(サーレフ・バクリ)に行き方を調べさせる。しかし、バスを降りた場所にアラブ文化センターはなかった。目的地「ベタハ・ティクバ」を読み間違え「ベイト・ティクバ」に着いてしまったのだ。そこは、ホテルさえない辺境の町だった。

 お腹を空かせた一行は、ぶっきらぼうだが面倒見のいい食堂の女主人ディナ(ロニ・エルカベッツ)の好意で、食事をさせてもらう。さらに、バスは1日1本しかないとわかり、団員たちは食堂、ディナの家、従業員イツォクの家の3カ所に分かれて宿泊させてもらうことになる。トゥフィークはカーレドと共に、ディナの家に泊まることになった。

 ディナは夫と離婚して一人暮らし。そのディナが興味を持ったのは、女たらしのカーレドではなくて、真面目なトゥフィークだった。町を案内するからという口実で彼を誘い、断りきれないトゥフィークは、赤いワンピースに着替えて張り切る彼女と、夜の町へ繰り出した。一方、カーレドは、地元の若者バビのデートに無理矢理ついて行く…。

●アジコのおすすめポイント:

イスラエルとエジプトの関係はよく知らなかったのですが、とにかく国が違っても、たとえ言葉が通じなくても、人間の持つ感情や抱えている悩みは同じ。わかり合おうとする姿勢さえあれば、気持ちは通じるという人の温もりを感じさせる、ハートウォーミングな作品です。水色の制服姿のおじさまたちが右往左往する姿も可笑しく、町の住人も普通の人たちだけどなんかヘン。くすっと笑って気持ちが暖かくなる物語を独特の映像で描いた新人監督に、世界の映画祭が脱帽したのも納得です。


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