アドリブ・ナイト(Ad Lib Night)
story
土曜の繁華街の雑踏。携帯電話を手に、人待ち顔でたたずむ若い女性(ハン・ヒョジュ)に、2人連れの若者が突然声をかけてきた。「君、ミョンウンだろ?」ミョンウンの幼なじみのキヨンと名乗った男(キム・ヨンミン)は、相手がミョンウンであることを疑いもせずに、昔の思い出を喋り続けた。しかし、彼女が返した言葉は「人違いです」。
キヨンは信じようとせず、「わざと違うふりしてる?」とまで言う始末。そして、ミョンウンが10年も前に家出したまま音信不通なこと、彼女の父親が末期ガンで昏睡状態に陥っていること、今夜がヤマで、死ぬ前に一目会わせてやりたいことなど、必死の気持ちを伝えるのだった。
さらに、人違いでも構わない、ミョンウンの身代わりになって父親に会ってほしい、と無謀な申し出をするキヨン。「約束がある」と断る彼女に、キヨンは「一日一善、人助けだと思って…」と哀願。その気持ちに嘘がないと信じた彼女は、いつの間にか彼らに同情を覚え、一緒にミョンウンの家族が住む郊外の町へと向かう。
「父親の前で私はどうすればいいの?」と尋ねると「ごめんなさい、お父さん」と言ってほしいと言われ、セリフの練習もして目的の町に到着。すでに夜は深まっていたが、父親の家族や隣近所の人々が大勢集まっていた。そこに、突然ミョンウンが現れ、大騒ぎになるのだが…。
●宣伝担当者のおすすめポイント:
大きな事件が起こらないまま、淡々と静かに時間が過ぎていきます。この空気感は、ハリウッド映画や日本映画を見慣れている人にとっては、大きな衝撃かもしれません。主人公の孤独感や心の変化にも注目して見てもらいたいです。原作者は、日本の作家「平安寿子」(たいらあすこ)さん。韓国で日本の小説や漫画を映画化するケースが急増していますが、この作品もそのひとつです。
都会で一人暮らしをしていて、いつの間にか自分を見失ってしまっている主人公が、他人の家族の修羅場に飛入りしながらも、どこか暖かさや心地よさに気づいていく物語です。遠く離れていても、家族や故郷があってよかったと思い出させてくれますよ。(アジコ)
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