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黒い土の少女

原案・脚本・監督:チョン・スイル
脚本:ジュン・スンヨン
撮影:キム・ソンテ
編集:ソ・ヨンドク
音楽:ゲ・スジョン
キャスト:ユ・ヨンミ/チョ・ヨンジン/パク・ヒョヌ

2007年/韓国
日本公開日/2008年3月8日
カラー/ヴィスタ/ドルビーSRD/89分
配給協力:ダゲレオ出版+マジックアワー
(c) 韓国映画振興委員会KOFIC
●韓国アートフィルム・ショーケース2008作品
2007年 ベネチア国際映画祭
 芸術映画館連盟賞/Lina Mangiacapre 賞
2007年 釜山国際映画祭 NETPAC(最優秀アジア映画)賞
2007年 マラケシュ国際映画祭 主演女優賞(ユ・ヨンミ)
2007年 映画評論家協会賞 国際映画批評家連盟韓国本部賞


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黒い土の少女(With A Girl Of Black Soil)

story

 人里離れた江原道のとある村。かつては炭鉱業の発展で栄えた土地だったが、今は廃鉱寸前のヤマを抱え、時代に取り残された場所となっていた。ヨンリム(ユ・ヨンミ)は9歳の少女。炭鉱夫の父ヘゴン(チョ・ヨンジン)、軽い精神障害を持つ兄トング(パク・ヒョヌ)と3人暮らしだが、小さいながらもしっかり者で、一家にとっては母親代わりの存在となっていた。

 ある日、ヘゴンはじん肺症にかかり、会社をクビになってしまう。だが、入院するほどではないので、障害者退職扱いも受けられない。仕事を探しに行った職安で声をかけられた男から、ヘゴンは社宅退去の補償金でトラックを買い、魚を売る商売を始める。トラックで学校に迎えに来た父に、ヨンリムもトングも大喜びだった。

 しかし、トラックが乗用車とぶつかってしまい、示談交渉の最中にトラックに保険がかけられていないことが発覚。騙されたヘゴンは怒って男の会社に殴り込むが、逆に殴られてしまう。それ以来、ヘゴンは働きもせず酒をあおるようになり、一家の生活は困窮していった。

 どんな時でも明るくふるまい、父や兄をいたわっていた健気なヨンリムも、次第に小さな胸を痛めるようになる。酔った父の言いつけで買い物に出た時、ついに万引きまでしてしまったヨンリム。このままではいけない。そう思ったヨンリムは、皆が生きて行くためにある決意を固め、兄を養護施設に送り届ける。そして…。

●アジコのおすすめポイント:

バス停で親子が雪投げをするシーンから始まるこの作品。幸せそうな3人を見ている女性は、特別出演の名女優カン・スヨン(『シバジ』)。この後も、大事なシーンで登場します。主人公のヨンリムがとてもかわいらしく、そしてとてもしっかり者。兄とテレビを見ながら歌ったり、ピアノ教室に隠れたり。ヨンリムには幸せになって欲しいと願わずにいられませんが、彼女にふりかかる現実はあまりにも過酷です。天真爛漫な少女から、複雑なラストシーンにいたるまでの変化を淡々と演じたユ・ヨンミはすごい! 雪の積もる中、終始薄着で頑張った彼女にも拍手を送りたいです。(アジコ)
*ユ・ヨンミちゃんは初日にゲスト来日予定です。

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