logo

永遠の魂

監督・脚本:ファン・ギュドク
撮影:コ・ミョンウク
編集:キム・サンボム
音楽:コ・ポムジュン、キムC
出演:チョン・ギョンホ/キム・ミンソン/チャ・スヨン/チョン・ジニョン

2007年/韓国
日本公開日/2008年4月5日
カラー/ヴィスタ/ドルビーデジタル/103分
配給:ダゲレオ出版+マジックアワー
(c) 韓国映画振興委員会KOFIC
●韓国アートフィルム・ショーケース2008作品

p2

p3

永遠の魂(For Eternal Hearts)

story

 夏休みを迎えた大学の静かなキャンパス。教授のスヨン(チョン・ジニョン)は、部屋に舞い込んで来た2匹の蝶に目をとめる。蝶に誘われるように教室へ向かうと、生徒たちが待っていた。授業を始めたスヨンは、生徒たちから「初恋の話をして」とせがまれ、かつて自分が経験した不思議な出来事を語り始める。

 20年前、スヨンはドイツ文学を専攻する内気で貧しい大学生だった。ある日、彼は自由奔放な女子学生(キム・ミンソン)と言葉を交わす。名前を名乗らない彼女のことを、スヨンはピッピと呼んだ。恋愛経験の浅いスヨンだったが、なぜか自分に人懐っこく近づいてくるピッピに、淡い恋心を抱くようになっていた。

 ところが、学生運動をしていたピッピは、スヨンたちが見守る中、占拠した校舎の窓から投身自殺をしてしまう。悲しみにうちひしがれるスヨンだったが、それ以来、スヨンの身の回りに不思議なことが起こり始める。ときおり、ピッピの姿が現れるようになったのだ。

 ピッピに導かれてアルバイトを見つけたスヨンは、大きな屋敷に住む女子高生スジ(チャ・スヨン)の家庭教師を始める。スジは大人びた雰囲気を持つ、無口で孤独な少女だった。彼女は一目でスヨンが気に入ったようだ。だが、屋敷には人の気配が希薄で、どこか奇妙な雰囲気が漂っていた。出されるのはいつもキウイとワイン。スヨンは次第に、自分の生きている現実が夢か本物か、わからなくなっていた…。

●アジコのおすすめポイント:

不思議な雰囲気に包まれた作品です。溝口健二の『雨月物語』が好きという監督だけに、幻想的な幽霊譚の風情に満ちていますが、恐いというよりも謎の先に何があるのかというミステリーの部分が気になります。主演は大ヒットドラマ「ごめん、愛してる」で注目されたチョン・ギョンホ。ドラマとはうって変わり、地味で内気な学生役を好演しています。主人公が不思議な体験を経て見つけたものとは? 最後までじっくり味わえる作品です。

▼公式サイト 閉じる