地球でいちばん幸せな場所
(Owl and the Sparrow)
story
ホーチミン郊外に住むトゥイ(ファム・ティ・ハン)は10才。両親を亡くして叔父に引き取られ、竹工場で働いている。夢見がちなトゥイは今日も工場で失敗し、「お前はここ以外では暮らせないんだぞ」と叔父さんにどやされた。でも勝ち気な彼女は、お気に入りのバービー人形をリュックに詰め、貯めたお金を持って家を逃げ出してしまう。
空港に降り立ったフライトアテンダントのラン(カット・リー)は、定宿のホテルに向かった。出迎えた受付の娘たちは、恋人がいないらしいランに、従兄を紹介しようとするが、ランはあまり乗り気ではない。実は彼女には、不倫相手のパイロットがいるのだ。この日も着飾って彼の待つホテルに出かけるラン。甘いひと時を過ごし目が覚めると、彼の姿はすでになく、残されたランは涙にくれる。
市の動物園では、飼育員のハイ(レー・テー・ルー)がゾウたちにエサをやっていた。彼は子供の頃からここで育ち、今では一角にある祖末な小屋で暮らしている。園長はハイに、彼がずっと育ててきた子ゾウがインドに売られることになったと告げた。最近、婚約者フオンにふられ、その上ゾウとも別れることになったハイは孤独感を募らせる。
ホーチミンに着いたトゥイは、街角で絵葉書を売ってお金を稼ごうとするが、なかなか売れず途方にくれる。すると、フーティウ屋の少年が、バラの花を売る仕事を紹介してくれた。元締めが貸してくれた学校の制服を着て、仲間の女の子たちと街へ出かけていくトゥイ。ある夜、フーティウ屋にやって来たランと知り合い、トゥイは彼女の部屋で暮すようになる。そして、動物園へ足を踏み入れたトゥイは…。
●アジコのおすすめポイント:
それぞれに孤独を抱える大人と子供がふとしたことから知り合い、やがて疑似家族を作っていくというハッピー・ストーリー。逃げ出したトゥイの写真を持って真剣に探し回る叔父さんも、根っからの悪党ではなさそう。でも、自分の気持ちに素直なトゥイは、積極的に幸せ探しにでかけていきます。ほんの少しの勇気が人生を変えてくれるかも、そんな気持ちにさせてくれる作品です。
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