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小さな赤い花

監督:チャン・ユアン
原作:ワン・シュオ「看上去很美/Could be beautiful」
脚本:ニン・ダイ
撮影:ヤン・タオ
編集:ヤーコポ・クアドリ
音楽:カルロ・クリヴェッリ
出演:ドゥン・ボウェン/ニン・ユアンユアン/チン・マンヤン/シャオ・ルイ/リー・シャオフェン

2006年/中国・イタリア
日本公開日/2008年8月23日
カラー/アメリカンヴィスタ/ドルビーDTS/92分
配給:アルシネテラン
2006年 ベルリン国際映画祭 国際芸術映画評論連盟賞

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小さな赤い花(看上去很美)

story

 4歳のチアン(ドゥン・ボウェン)は、自分の意思をもった聡明な少年。ある日、彼は父親の仕事の都合で全寮制の幼稚園に預けられることになる。厳しいリー先生(シャオ・ルイ)ややさしいタン先生(リー・シャオフェン)らの元、子どもたちは規則正しい生活を送っていたが、奔放なチアンは皆に馴染めないでいた。

 園内では、良いことをした子どもは紙で作った赤い花が貰え、聞き分けのない子供は逆に没収されていく制度があった。チアンも先生や周りの友達に合わせ、「赤い花が欲しい!」と努力するようになる。

 だが、今まで甘やかされて育ってきた彼は、オネショがなかなかなおらず、一人で着替えもできない。いつもタン先生に着せてもらっていた。そんなチアンと最初に仲良くなったのは、女の子グループのナン・イエン(ニン・ユアンユアン)だった。

 やっと園での生活に慣れて来たチアンは、調子に乗って周りを巻き込み、反抗的な行動を取り始める。ナン・イエンと園の外に逃げ出したり、たくましい想像力でリー先生を妖怪に仕立て上げたり。子どもたちのおかしな様子に気づいた先生から、お仕置きとして独房に入れられてしまう。

 最初はチアンの行動に賛同していた子どもたちも、次第にチアンから離れていき、チアンはまた孤立していく。そんな状況に耐えきれず、幼稚園を飛び出したチアンが、外の世界で目にしたものは…。

●アジコのおすすめポイント:

現代中国の「今」を描き続けて来たチャン・ユアン監督が、今度は幼稚園を舞台に、4歳の子どもの視点で社会の矛盾をあぶり出します。と、書くと難しい内容と思われそうですが、まったくそんなことはなく、子どもたちの自然な演技を観ているだけでも充分に楽しめます。まだ幼くかわいらしい少年少女たちがたくさん登場し、彼らの視点から幼稚園での日常生活が描かれていきます。原作者の幼い頃にそっくりという主演のドゥン・ボウェンは、2000人の中から選ばれた逸材。その他の子どもたちも20000人から選ばれたとか。中国の幼稚園事情も垣間見つつ、かわいらしくもたくましい子どもたちの姿をご堪能ください。

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