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空とコムローイ

監督・撮影・編集:三浦淳子
製作:岩永正敏
構成:伊勢真一
録音:米山靖
音楽:横内丙午
出演:アルベルト・ペンサ神父、ノイさん、ユイとファ、ムタばあちゃん、コンティップ村の人々

2008年/日本
日本公開日/2009年1月31日
カラー/16mm/90分
配給:パンドラ
(c) tristellofilms


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空とコムローイ(The Sky and Khomroy)
〜タイ、コンティップ村の子どもたち〜

story

 タイ最北端の街メーサイにあるコンティップ村では、麻薬や、人身売買の危険にさらされた山岳民族アカ族の子どもと女性たち約150人が、家族のように暮らしている。彼らを見守ってきたのは、約30年前にイタリアからやって来たペンサ神父と、タイ人女性ノイさんだ。住人たちは自立した生活ができるように、タイ語や算数、アカ族の伝統的な刺繍を学んでいる。

 ノイさんは、売春や麻薬密売に従事しないようにと、近くに住むアカ族の女性たちにも仕事を提供している。「私はみんなに自尊心を持ってもらいたいの。それは、一番大切なことだわ。働くことによって尊厳が生まれるのよ」ここではおばあさんたちも、小さな畑で野菜を作っている。

 この施設を卒業したユイは、前の夫のせいでエイズに感染していたが、娘のファを出産する。幸いファは感染していなかったが、自分にもしものことがあっても娘がちゃんと育つようにと、ユイは寮に帰って皆と暮らし始める。翌年、ユイは32歳の若さで亡くなるが、ファはノイさんやたくさんの仲間にかわいがられて、年々成長していく。ファの成長を見届ける事ができなくなったユイの代わりに、カメラはファが9歳になるまでの姿を記録していく…。

●アジコのおすすめポイント:

微笑みの国タイには、エキゾチックなリゾートや伝統的なカルチャー、イケメンが活躍するタイポップ、元気のいいタイ映画…と華やかな世界とは裏腹に、昨年話題になった『闇の子どもたち』のような深刻な問題も抱えています。その原因となる貧困や無知から人々を守り、自立できるよう育てているのがコンティップ村。やさしいペンサ神父に見守られ、皆がつつましくも幸せに暮しています。特にカメラが追いかけているのが、ファ(空という意味)という幼い少女。天真爛漫でなかなかの腕白ものです。仲良しの猫を踊らせちゃうネコダンス・シーンは必見(笑)。そんなファが9歳となり、村を出て小学校の寮に入るまでの成長ぶりを見ることができます。女性監督らしい、やさしい視点に癒されます。

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