昂 スバル(Subaru)
story
意思の強い瞳を持つちょっと変わった女の子、すばるは今日も病院への道を急いでいた。双子の弟・和馬が入院しているのだ。まだ和馬が元気だった頃、小学生の2人は、バレエ教室を覗いてはバレリーナに憧れていた。しかしある日、弟は母と同じ脳腫瘍で倒れたのだった。記憶障害で不安になっている和馬を勇気づけようと、すばるは毎日のように病室で即興の猫ダンスを踊って見せた。けれど、そのかいも無く、和馬は最期の時を迎えてしまう。
葬儀の日、絶望して雨の中を彷徨うすばるの前に、黒い子猫が現れる。子猫を追ってたどり着いたのは「パレ・ガルニエ」。そこは、バレエとストリップ・ダンスを見せるキャバレーだった。バレエに惹かれて足を踏み入れたすばるは、オーナーの五十鈴(桃井かおり)と出会う。ステージではバレエの練習が始まっていた。この日から、すばるは「パレ・ガルニエ」に通ってダンスを踊りはじめる。亡き弟、和馬のために。
数年後、美しく育ったすばる(黒木メイサ)は、幼なじみの呉羽真奈(佐野光来)の母親(愛華みれ)が経営するバレエ教室に通いながら、週に1度「パレ・ガルニエ」で踊っていた。ある日、ストリップダンサーの代役をかって出たすばるは、酔った客達の前で大胆な「ボレロ」を披露する。その姿を、アメリカン・バレエ・シアターのリズ・パーク(Ara)が秘かに見つめていた。この瞬間から、2人は最大のライバルとなっていく…。
●アジコのおすすめポイント:
敏腕プロデューサーのビル・コンが原作漫画に惚れ込み、05年末から準備を重ねていた作品です。監督は『不夜城』のリー・チーガイ。韓国からもAraや東方神起が参加するなど、国際的な布陣となっていますが、最大の見所は、黒木メイサのダンスシーンでしょう。主演が決まった07年から特訓を始めたというメイサちゃんは、なんとバレエ初体験!が、天性の身体能力と女優魂を発揮して、短期間で様々なダンスを体得したのでした。「白鳥の湖」から「海賊」「ボレロ」(シルヴィ・ギエム・バージョン!)と、バレエファンにはお馴染みのナンバーを披露してくれます。05年の映画デビュー当時に取材したことがありますが、今やすっかり堂々とした女優さんになりました。
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