子供の情景(Buddah Collapsed Out Of Shame)
story
6歳の少女バクタイ(ニクバクト・ノルーズ)は、隣の家の男の子アッバス(アッバス・アリジョメ)が「ABC」と読み書きの勉強をして、学校で習った面白いお話を読むのを聞いて、自分も学校に行きたいと思う。アッバスに「鉛筆とノートがなくては学校に行けない」と言われたバクタイは、お金をもらおうと、町にでかけたお母さんを探しに行く。ところが、お母さんは見つからない。
帰りがけに、鉛筆とノートを買っている親子を見かけたバクタイは、雑貨店のお兄さんから鉛筆とノートは20ルピーだと聞いた。家に戻り、お母さんに会えなかったと言うと、アッバスが「鶏の卵を4つ売れば20ルピーになる」と言うので、バクタイは卵を4つ手に持って、再び雑貨店へでかける。しかし「卵は売るほどある」とお兄さんに断られ、「町へ行ってお金に変えておいで」と言われる。
バクタイは卵を持って町へでかけるが、商売に夢中だったり、時計を買えと言われたりで、誰も卵を買ってくれない。おまけに、いじわるなおじさんとぶつかって卵が2つ割れてしまう。「私の卵を割ったからお金を払って」と訴えても相手にされないバクタイは、それでもへこたれず町を回り、ようやく卵じゃなくてパンなら買うという人を見つける。
バクタイはパン屋へ行くために、怖い犬の前を頑張って横切る。パン屋のおばさんは、事情を聞いてパンと卵を交換してくれた。そして、なんとか10ルピーを手に入れる。「鉛筆とノートとどっちがいい?」とお兄さんに言われたバクタイは、ノートを買う。鉛筆はお母さんの口紅を代わりにすればいい。家に戻ったバクタイは、お母さんの口紅とノートを持ち、心を弾ませてアッバスと学校へ向かうのだが…。
●アジコのおすすめポイント:
2001年にタリバンによって破壊されたバーミヤンの遺跡を背景に、石窟で暮している幼くも勇敢な少女が、学校に行きたい(=面白いお話の続きを知りたい)という一心で、途中様々な困難に直面しながら突き進んでいきます。戦争ごっこをしている少年たちに捕まるシーンではドキドキしてしまいますが、少女は負けません。童話のように綴られる物語の背景には、戦争が子どもたちに与えた影響や、理不尽な社会背景など、考えさせられることも多いのですが、なにより赤いほっぺのニクバクト・ノルーズが、愛らしくも素晴らしい存在感で、あなたを魅了するでしょう。
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