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孫文/100年先を見た男

監督:デレク・チウ
脚本:メイ・ズー
撮影:チェン・チーイン
編集:メイ・ズー
美術:テレンス・フォック
音楽:パン・グオシン スー・ジュンジエ
出演:ウィンストン・チャオ、アンジェリカ・リー、ウー・ユエ、チャオ・チョン、ワン・ジェンチョン、ヴィッキー・リウ

2006年/中国
日本公開日/2009年9月5日
カラー/ビスタサイズ/ドルビーSRD/127分
配給:角川映画
(c)深[土川]電影製片廠
2007年 上海国際映画祭
 注目の男優賞・有望新人賞(ウィンストン・チャオ)
2007年 中国電影華表奨 新人脚本賞(メイ・ズー)



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孫文/100年先を見た男
(夜・明/Road to Dawn)

story

 1910年、孫文(ウィンストン・チャオ)は9回目の武装蜂起に失敗し、国外での逃亡生活を余儀なくされていた。清朝政府は70万両の白銀を懸賞金にして、彼の命を狙う。やむなく孫文は革命地盤の日本を脱出し、清朝政府の手の届かないマレーシアのペナンへと向かう。船上で、孫文はペナンで教師をしているというルゥオ・ジャオリン(チャオ・チョン)という青年に出会う。ジャオリンは「困ったことがあったら言ってほしい」と、孫文に名刺を渡す。

 ペナンへ到着した孫文は、裏でアヘン業を営む富豪華僑シュー家に身を寄せることになる。シュー家の頭領シュー・ボウホン(ワン・ジェンチョン)は孫文を同国人として歓迎するが、「ここでの革命活動はやめるように」と言い渡す。華僑たちは、失敗続きの孫文の革命を信用できなくなっていたのだ。

 孫文は、シュー家でジャオリンに再会する。ジャオリンはボウホンの娘、ダンロン(アンジェリカ・リー)の婚約者だったが、実はそれは表向きの姿にすぎなかった。ジャオリンの本当の正体は、孫文暗殺の密命を受けた清朝の密偵だった。ジャオリンは孫文がシュー家に滞在している間に暗殺を目論むが、ダンロンが孫文に興味を持ち何かと接近するため、なかなか実行に移せない。

 資金調達が適わないと知った孫文は、シュー家を離れ、ペナン同盟会のホワン(トゥアン・チウシュイ)を訪ねる。そこには、10年来孫文の革命を支え続けてきた女性同志、チェン・ツイフェン(ウー・ユエ)も駆けつけてきていた。孫文は彼女との再会を喜ぶが、ツイフェンは南洋での逃亡生活に複雑な思いを抱えていた。彼女は孫文との穏かな生活を夢見ていたが、同時に、革命に生きる孫文に、穏かな日々はありえないと悟ってもいた。

 ある日、孫文は港で不当な扱いを受けていた中国人労働者を助ける。孫文の交渉により、港での労働者と雇用者の対立は解決。労働者から「中国のために」という心からの献金を受けた彼は、再び革命への心を奮い立たせる。しかし、肝心の富豪華僑たちの心は動かず、孫文の資金集めは危機に瀕していた。ダンロンは、富豪たちが集まるシュー家のパーティーに孫文を招待することに。それを知ったジャオリンは、パーティーでの孫文暗殺を画策するのだが…。

●アジコのおすすめポイント:

中国が近代民主国家へ歩むきっかけとなった辛亥革命で知られる孫文。日本に亡命していたこともあり、また台湾では「国父」と呼ばれるなど、中華民族のみならず、アジア各地でも思想家・革命家として人気のある孫文ですが、本作ではその革命前夜とも言える、マレーシアはペナンでの逃亡生活を描いています。印象に残るのは、彼を20年も支えたというチェン・ツイフェン(陳粹芬)の存在。孫文の妻というと、宋慶齢が有名ですが、資料によれば孫文を支えた女性は日本にもいたようです。もっとも、遊び人とは真逆の性格。革命に一途な激しい気性の男にしびれる女性たちも多かったのでしょう。いい男の陰にいい女たちあり。

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