一年之初(一年始終/Do Over)
story
大晦日。映画制作アシスタントのパン(ワン・チングァン)は、撮影のため山道で車止めをしている。車が1台通り過ぎた後、後続の黒い車を停めたパンは、降りて来たヤクザ風の男たちに脅される。あわやと思ったその瞬間、車止め解除の声。命拾いしたパンは主演女優のフィフィ(シュー・アンアン)に憧れていた。
元旦の朝。ホテルの撮影現場で年越しをしたパンに、思いがけないチャンスが巡ってくる。遅れている男優の代わりに、フィフィとベッドに横たわることになったのだ。「神様、お願いです。1秒でいいから、今この瞬間を止めて」
大晦日の夜。不法移民のディンアン(ホワン・チェンワイ)は、病気の父と家族を支えるため、台湾の裏社会で働きながら、故郷へ帰る日を夢見ていた。毎晩同時刻に、仕事帰りに通過する高速道路の集金所の女性(ジニー・チュオ)と会うのが心の支えだ。住民カードさえ手に入れれば…。彼はボスに詰め寄り、金庫からカードを奪って逃走する。
大晦日の夜。シャオフィ(チャン・ロンロン)は親友のバタフライ(クー・ジャーヤン)を連れ、恋人のハオズ(クー・ユールン)とカウントダウンパーティへ向かっていた。バタフライはパーティ会場で映画監督のリーシャン(モー・ヅーイー)と出会う。元旦の朝、パーティで意識を失ったハオズは、シャオフィと見知らぬ病院にいた。二人はバタフライを探しに外へ出るのだが…。
大晦日の夜、裏社会のボスになった宗徳(トゥオ・ツェンホア)は、眠れない日々を過ごしていた。その晩、彼は映画監督をしている弟から送られてきたビデオを観ようとしていた。その結末とは…。
●アジコのおすすめポイント:
一年を跨ぐ大晦日と元旦に起こった出来事を5つのストーリーで描き、起こってしまった結末、もしくは、起こったかもしれない結末を2重に提示して見せるという複雑な構成です。それぞれの出来事が微妙に交差し、関わりを持ちながらも、皆が望んでいた最良の結末へと向かっていきます。果たして、奇跡は起こったのか? 時間軸に気をつけつつ、注意深くご覧ください。
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