logo

トーテム/song for home

監督・撮影・編集:若木信吾
プロデューサー:谷口宏幸
出演:TOTEM/圖騰(スミン、チャーマーカー、アシン、アウェイ、アシャン)

2009年/日本
日本公開日/2009年10月24日
カラー/ビスタサイズ/ステレオ/85分
配給:ヤングトゥリーフィルムズ

p2

p3

p5
トーテム/song for home
(TOTEM -song for home)

story

 夜更けの空にこだまする歌声と鈴の音。今年も原住民たちのあつい夏が始まった。子どもの頃、よく海で泳いでいたというボーカルのスミン。彼らの先祖は海からやってきたのだという。彼らの部族にとって、海は身体を浄める神聖な場所でもある。

 2002年に結成されたTOTEMは台北で活動しているが、メンバーの大半が原住民部落出身だ。ボーカル&ギターのスミン(阿美族)、ボーカルのチャーマーカー(排灣族)、ギターのアシン(排灣族)、ベースのアウェイ(漢族)、ドラムのアシャン(卑南族)。彼らは2005年の貢寮國際海洋音樂祭で大賞を受賞し、本格的な音楽活動を始めた。それぞれバイトや音楽関係の仕事をしながら、ライブやツアーを自分たちで企画し、着実にファンを増やしている。

 最年少のチャーマーカーは、年の離れたスミンを兄のように慕う。アシャンは故郷に奥さんと娘を残し、単身赴任中。愛娘に、早く自分たちのライブを見せたいと話す。高速バスで台中の実家と台北を往復するアウェイも、都会のスピードに慣れることができない。台東、新園。ギターのアシンは通りがかった知り合いに呼び止められる。「ここでは捜さなくても知り合いが寄ってくるんだ」

 メンバーの中で最も部族の伝統文化に愛着を持つスミンの作る曲には、豊かな民族音楽の要素が取り入れられている。メンバーの誰もがいつか故郷へ帰る事を夢見ながら、都会のペースに戸惑いながらも前向きに生活している。彼らには帰る場所があるのだ。

●アジコのおすすめポイント:

台湾には、政府に認定されているだけでも14の部族が住んでいるとか。歌や踊り、様々な儀式など、豊かな伝統文化を今も守りながら暮らしています。そして、原住民出身の歌手は皆、歌がうまい! 有名なところでは「トゥーランドット」を日本で客演した張惠妹がそうだし、これから公開の『海角七号/君想う、国境の南』で主演したヴァン・ファン(范逸臣)も阿美族の出身。その阿美族でもあるスミンを軸に、TOTEMの音楽世界は作られています。心地よいメロディ、プリミティブな声の響き、勇壮なリズム…ロックとも見事に馴染んだTOTEMのライブシーンは、音楽ファンにも必見。台湾原住民の人たちの今の暮らしも垣間見られる、貴重なドキュメンタリーとなっています。

p4

▼公式サイト 閉じる