ホースメン(The Horsemen)
story
真冬のデトロイト。ベテラン刑事ブレスリン(デニス・クエイド)のもとに、殺人事件の知らせが届く。現場を訪れた彼が目にしたのは奇妙な光景だった。死体はどこにもなく、凍りついた池の上に設置された銀のトレーに、被害者の口から抜かれた大量の歯だけが置かれていたのだ。池を取り囲む四方の木には、鮮血のような赤いペンキで「Come and See」という謎のメッセージが記されていた。
まもなく第2の事件が起こる。中年女性が自宅の2階で殺されたのだ。部屋には同じメッセージが記されており、被害者の全裸死体は極太の釣り針とワイヤーで吊られていた。しかも彼女は妊娠中で、生きたまま薬物を打たれて宙吊りにされ、胎児は取り出されていた。発見者は被害者夫妻の養女クリスティン(チャン・ツィイー)。大粒の涙をこぼしながら「犯人を捕まえてくださる?」と訴える彼女に、ブレスリンは何かあったら連絡するようにと名刺を渡す。
ブレスリンにもアレックス(ルー・テイラー・ブッチ)、ショーンという2人の息子がいた。家庭を顧みずに生きてきた彼は、ガンで亡くなった妻を看取れなかった過去を深く後悔していた。しかしそれ以来、今は高校生となった長男アレックスとの間に深い溝が生じ、親子のコミュニケーションはすっかり断絶していた。
2人目の犠牲者は先に見つかった歯の持ち主で、やはり同じメッセージが残された部屋で、黒い器具によって宙吊りにされていた。この特殊な器具はサスペンションと呼ばれるもので、地元のタトゥー&ピアス・ショップで販売されたことが判明。店員は4つの特注サスペンションを売ったと証言する。やがて、プレスリンはメッセージが新約聖書のヨハネの黙示録に登場する、白い馬、赤い馬、黒い馬、緑の馬に乗った4人の騎士と関係していることを突き止める。
ほどなく、クリスティンから呼出されたプレスリンは、衝撃的な事実を知らされ…。
●アジコのおすすめポイント:
『セブン』とか『ソウ』とかは苦手なのですが、こちらの作品はそれほどではありません。MV出身の監督だけに、映像もアートな感覚が活かされており描写もソフトです。むしろ、猟奇事件の背後にある人間の苦しみとか孤独がテーマになっているようです。注目すべきはやはりチャン・ツィイーの挑戦でしょう。可憐さと凛とした気丈さを持ち合わせる彼女に、小悪魔的な要素が加わり、二面性を持つ恐ろしい役柄を演じています。英語のセリフも吹替なしで挑戦。今やコン・リーと並んで、ハリウッド映画にも自然に馴染む女優に成長しました。
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