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牛の鈴音

監督・脚本・編集:イ・チュンニョル
製作:スタジロ・ヌリンボ
プロデューサー:コー・ヨンジェ
撮影:チ・ジェウ
音楽:ホ・フン、ミン・ソユン
出演:チェ・ウォンギュン、イ・サムスン

2008年/韓国
日本公開日/2009年12月19日
カラー/HD→35mm/1:1.85/ドルビーステレオ/78分
配給:スターサンズ、シグロ
(c)2008 Studio Nurimbo
2008年 プサン国際映画祭 最優秀ドキュメンタリー賞
2008年 ソウル インディペンデント映画祭 観客賞
2009年 カナダ ホット・ドッグス国際ドキュメンタリー映画祭
 アーティスト賞
2009年 シルバードックス・ドキュメンタリー映画祭
 シネマティックビジョン賞
2009年 韓国百想藝術大賞 新人監督賞(イ・チュンニョル)

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牛の鈴音(牛鈴の音/Old Partner)

story

 春。79歳になる農夫のチェ爺さん(チェ・ウォンギュン)には30年もともに働いてきた牛がいる。牛の寿命は15年ほどなのに、この牛は40年も生きている。今では誰もが耕作機械を使うのに、頑固なお爺さんは牛と働きつづける。牛が食べる草が毒になるからと畑に農薬をまくこともしない。そんなお爺さんに長年連れ添ってきたお婆さん(イ・サムスン)は不平不満がつきない。しかしある日、かかりつけの獣医がこの牛はそろそろ寿命だ、今年の冬は越せないだろうと告げる。

 その冬。チェ爺さんは牛市場で新しい雌牛を買った。年寄りに2頭の牛の世話は無理だ。お婆さんは老いぼれ牛を売れと言う。お爺さんは答える。死ぬまで面倒みるさ。こいつは動物だがわしには人間よりも大切だ。

 新しい春。若い牛が雌の仔牛を産んだ。お婆さんはがっかり。雌の仔牛はお金にならない。お爺さんは相変わらず黙々と牛のために夜明けからエサをつくる。市販の飼料をやれば楽なのに。お婆さんはまた愚痴る。

 夏の終わりの大雨で田んぼが水浸しになってしまう。お爺さんは頭が痛いと時折つぶやくようになった。老いぼれ牛が引く荷車に乗って、夫婦二人で町の病院へ向かった。働くのを控えなさいと医師はお爺さんに忠告する。医師の忠告にもかかわらずお爺さんは働きつづける…。

●アジコのおすすめポイント:

舞台は江原道(カンウォンド)に近い慶尚北道(キョンサンブクド)の奉化(ボンファ)郡。今もなお自然が多く残るこの地は、あのキム・ギドク監督の故郷とか。独特の方言で話す老夫婦と、40歳にもなる老牛との絆の物語が鈴の音と共に淡々と描かれます。もともとはテレビ放映用に撮影を始めたという監督ですが、より多くの人々に観て欲しいという思いから劇映画に変更。なるべく自然にと固定カメラを採用し、老夫婦のシンプルな毎日の暮らしを綴っています。悪態ばかりついているお婆さんはユーモラス。頑固で偏屈なお爺さんはの心は老牛のことばかり。引き算で作られた作品ですが、それだけストレートに心に響くものがあります。


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