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チョルラの詩

監督:川口浩史
脚本:谷口広樹、チョン・ミラ、川口浩史
撮影:ジン・ヒョヌ
編集:佐藤崇
美術:チョン・ミョングン
音楽:チョン・ユジン
出演:キム・ミンジュン、ソ・ドヨン、キム・プルン

2010年/日本
日本公開日/2010年6月12日
カラー/ヴィスタ/102分
配給:アールグレイ・フィルム


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チョルラの詩(The Poem of Jeolla)

story

 1987年、韓国の全羅南道(チョルラナムド)ではソウルオリンピックに向け、高速道路の建設が急ピッチで進められていた。

 その年、祖父の葬式に参加するため、日本の学校で非常勤講師として詩を教えている在日韓国人の幸久(ソ・ドヨン)は数年ぶりに祖父の故郷を訪れる。大勢の親戚たちが集る中、最初はぎこちなさを覚え、少し距離を置いて皆を眺めている幸久だったが、暖かいもてなしを受けて次第に心を開いて行く。

 そんな幸久が再会してもっともうれしかったのは、従兄弟のカンス(キム・ミンジュン)だった。彼は今、故郷の発展のため、高速道路の建設に従事している。久しぶりの再会を喜ぶ二人のもとに、カンスの幼馴染、ソンエ(キム・プルン)もチョルラに戻ってくる。彼女はカンスの初恋の人だが、まだ告白はしていなかった。

 一計を案じたカンスは、幸久に詩の書き方を教えてもらい、ソンエに恋の詩をプレゼントする。ソンエの母親に知られないよう、秘密の場所に手紙を置いて行く毎日。すると、ソンエからの手紙もその場所に置いてあるのだった。

 幸久はそんなカンスの初恋の行方を見守っていたが、ソンエは幸久にも興味を持っているようだ。そして、いつしか幸久もソンエに惹かれるようになっていた…。

●アジコのおすすめポイント:

素朴でシンプルなラブストーリーが、ソウルオリンピック直前の全羅南道を舞台に描かれています。在日韓国人で詩を教える教師役を演じるのは「春のワルツ」のソ・ドヨン王子。在日韓国人という役柄にはちょっと無理もありますが、2つのアイデンティティに揺れる青年をきちんと演じています。実直な働き者を演じるキム・ミンジュンははまり役。もともと真面目な人なので、不器用で正直なやさしい男を自然体で演じています。共にモデル出身だけあって、この二人の共演を激しい展開の韓国映画ではなく、シンプルなドラマで観られるのも一興。こんなところが、川口監督の手による作品ならではの魅力かもしれません。同じところ、違うところ、いろいろあっても、人間の心は万国共通。そんなこともふと考えさせられる作品です。


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