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彼とわたしの漂流日記

監督・脚本:イ・ヘジュン
撮影:キム・ビョンソ
編集:ナム・ナヨン
美術:ファソン工作
音楽:キム・ホンジプ
出演:チョン・ジェヨン、チョン・リョウォン、パク・ヨンソ、ヤン・ミギョン

2009年/韓国
日本公開日/2010年6月19日
カラー/シネマスコープ/ドルビーSRD/116分
配給:CJ Entertainment Japan
(c)2009 CINEMA SERVICE CO., LTD.
2009年 利川春史大賞映画祭
 審査委員特別賞/脚本賞(イ・ヘジュン)


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彼とわたしの漂流日記
(Castaway on the Moon)

story

 リストラ、借金、失恋が重なって人生に絶望し、漢江に飛び込んだキム(チョン・ジェヨン)は、目がさめると川の中の無人島に漂着していた。そこは生態景観保全地域として一般人の立入が制限されている孤島で、船がなければ脱出できない場所だった。

 キムは観光遊覧船や119番、元恋人へ電話をかけて助けを求めるが、まともに取り合ってもらえない。そのうち携帯のバッテリーが切れてしまう。幼少時のトラウマで泳げない彼は、再び自殺を試みるが、美しいサルビアの甘い蜜を口にして、もう少し生きてみようと思い直し、アヒルのボートを住処に無人島での生活を開始する。

 対岸の高層マンションに済む「わたし」(チョン・リョウォン)は、3年間引きこもりの生活を送っている。狭い部屋の中だけの生活だが、独自のルールが存在していた。朝、決まった時間に起きて家族がでかけた後で朝食、その後軽く運動してからパソコンの前に出勤する。毎日「誰か」になりきって更新する彼女のブログは人気があった。日課を終え、月を撮影することだけが唯一の趣味。月には誰もいないから、さみしくないのだ。

 韓国では半年に1度、訓練空襲が行われる。人々が一斉に屋内に避難し、交通手段も停止する20分間。「わたし」は毎年、誰もいない世界を写真に収めていた。この日、彼女は漢江の孤島で自殺を試みるキムと砂浜に書かれた「HELP」の文字を目撃。衝撃的な出来事に動揺し、眠れない夜を過ごす。翌朝、カメラをのぞいてまだ彼が生きていることを確認した彼女は、彼を地球外生命体と思い込み、観察を始めるのだった…。

●アジコのおすすめポイント:

チャン・ジン監督の作品で知られるチョン・ジェヨンと、韓流ドラマでお馴染みのチョン・リョウォンが主演したファンタジック・ラブストーリー。いや…ラブストーリーというよりは、生きるのに不器用な二人が初めて出会って新しい人生に一歩踏み出すまでを描いたヒューマンドラマと言えるでしょう。漢江に実在するパム島という孤島を舞台に、短くもワイルドな漂流生活が展開します。しがらみから解放されて徐々に逞しくなっていく男をチョン・ジェヨンが好演。インスタントのジャージャー麺を食べたいがために、麺の原料から栽培していく姿は感動もの。引きこもり娘を案じながらもやさしく見守るお母さん役で、韓尚宮様ことヤン・ミギョンが登場するのも新鮮です。


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