ベスト・キッド(The Karate Kid)
story
2年前に父親を亡くした12歳のドレ(ジェイデン・スミス)は、母シェリー(タラジ・P・ヘンソン)の転勤で住み慣れたデトロイトを離れ、中国へ移り住む。心機一転と母は明るいが、ドレは異国での生活に何の魅力も感じられない。引越し早々、近所の公園でバイオリンを弾く少女と仲良くなるが、地元の少年たちに目をつけられ、腕っぷしの強いリーダー格のチョン(チェンウェイ・ワン)に叩きのめされる。
翌日、初登校したドレに声をかけてきたのは、昨日の少女メイ(ウェンウェン・ハン)だった。気持ちが晴れたのも束の間、またチョンたちにからまれてしまう。そんなある日、武術学校を見つけたドレは吸い寄せられるように中へ入り、生徒たちの稽古姿に圧倒される。体育館では年長者が指導を受けていた。道場を率いるリー先生(ユー・ロングァン)が「弱さ、痛さ、情けは無用!」と一喝する。そこにはチョンの姿があった。
郊外学習で紫禁城を見学した帰り、ドレはチョンたちに汚水を浴びせて仕返しする。しかし、追いかけて来るチョンたちに、ドレはとうとうアパートの中庭に追いつめられてしまう。あわや!というその時、チョンのパンチを受けとめたのは、アパートの管理人ハン(ジャッキー・チェン)だった。彼は少年たちの攻撃を次々にかわし、一発のパンチも使わず手品のように全員を倒してしまう。
ハンは自分の部屋で、火と吸角をつかってドレの傷の手当てをした。母子が引越して来て以来、彼はドレの様子を気にかけていたのだ。ドレはハンにカンフーを教えて欲しいと頼むが、「カンフーは武器ではなく平和の道具だ」と諭す。「悪いのはチョンではなく指導者だ」と話すハンは、ドレと共に武術学校を訪れ仲直りをさせようとするが、逆にリー先生から勝負を挑まれてしまう…。
●アジコのおすすめポイント:
名作『ベスト・キッド』が空手からカンフーに舞台を変えて甦りました。主演は俳優ウィル・スミスの息子、ジェイデン・スミス。もともと空手の素養を持つ彼のための企画でしたが、ジャッキーが出ることでカンフーに変更。まさにジャッキーに鍛えられながらの成長ぶりも逞しく、見事なリアルカンフーと演技を見せています。アクション面での演出にもジャッキーらしいこだわりあり。ストーリーはほぼオリジナルを踏襲し、名場面も再現されていますが、父を亡くした少年と妻子を失った師匠という背景がきっちり描かれ、深みがあります。140分ずっと楽しめて最後は気分爽快に…これぞ映画の楽しさ! 本作も名作になりそう。近年はアクションより演技に力を入れているジャッキーですが、今回は抑えた演技がいい感じで、渋いジャッキーもかっこいいなと思わせます。それにしてもジェイデン君、彼は父親にも負けないアクション・スターになれるかも。
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