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ゴースト もういちど抱きしめたい

監督:大谷太郎
原作:『ゴースト ニューヨークの幻』
   (脚本:ブルース・ジョエル・ルービン)
脚本:佐藤嗣麻子、中園ミホ
撮影:石坂拓郎
編集:深沢佳文
美術:矢内京子
美術アドバイザー:種田陽平
音楽:大島ミチル
主題歌:「アイシテル」(作詞・作曲・歌:平井堅)
出演:松嶋菜々子、ソン・スンホン、樹木希林、 鈴木砂羽、橋本さとし、芦田愛菜

2010年/日本
日本公開日/2010年11月13日
カラー/ビスタサイズ/ドルビーデジタル/116分
配給:パラマウント ピクチャーズ ジャパン、松竹
(c)2010「ゴースト」製作委員会

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ゴースト もういちど抱きしめたい(Ghost)

story

 朝、見知らぬ家で目覚めた七海(松嶋菜々子)は自分が服を着ていないのに動揺し、暖かいコーヒーを煎れてくれた青年に平手打ちをくわせて立ち去る。出社した七海を好奇心いっぱいで迎えたのは、学生時代からの親友で七海の右腕でもある上条未春(鈴木砂羽)。年商150億円の企業を経営する七海は、自分の誕生パーティでつい飲み過ぎたらしい。そして噴水の前で転びそうなったところを青年に救われ、彼の車で送ってもらう途中、眠り込んでしまったのだった。

 一日中仕事が手につかないほど落ち込んだ七海は、再びその家を訪問する。古い一軒家で独り暮らしをする青年の名前は、キム・ジュノ(ソン・スンホン)。陶芸家志望の彼は、勉強のために韓国から来日して1年になるという。陶器好きの七海は、ジュノが焼いたコーヒーカップを一目で気に入る。そしてジュノは、そんな七海を優しく見つめていた。

 またたく間に惹かれ合った二人は、確かな愛を静かに深く積み重ねていく。しかし、自分の気持ちを情熱的に表現するジュノに対して、七海はどうしても「愛してる」のひと言が口に出せない。言葉にしたら幸せが逃げていきそうで、ついブレーキをかけてしまうのだ。意を決したジュノは七海にプロポーズ。神父も列席者もいない古びたチャペルで、ふたりは永遠の愛を誓う。

 1年後の七海の誕生日。ジュノの待つ家へと帰りを急ぐ七海に、突然バイクに乗った男(橋本さとし)が近づき、後ろからバッグを強奪する。しかし、弾みで倒れた七海は頭に致命傷を負い、そのまま命を落としてしまう。空から迎えの光が降りそそぐが、七海の亡がらを抱きしめて悲しむジュノの姿を見て、七海はジュノのそばにとどまることにする。

 葬儀の夜、刑事がジュノを訪ねてくる。七海の莫大な資産に注目した刑事は、受取人である夫のジュノに疑いの目を向けたのだ。さらに、自分を襲ったバイクの男が現れ、ジュノの身にも危険が迫る。七海は自分の声が聞こえるインチキ霊媒師・運天五月(樹木希林)の力を借りて、ジュノを助けようとするのだが…。

●アジコのおすすめポイント:

映画ファンの方ならすでにご存じの名作『ゴースト ニューヨークの幻』のアジア版リメイクです。主人公は男性と女性が入れ替わっていますが、ストーリー展開はほぼオリジナル通り。結末もわかってはいるものの、再び同じ感動が味わえる佳作に仕上がっております。二人が急速に恋に落ちるあたりは少々気恥ずかしいですが、なにせ相手役はソン・スンホン。それだけで、違和感はクリア。さらに主人公がゴーストになってからの中盤以降は、サスペンスも加わってぐいっと引き込まれる展開に。そして最大の見所は、インチキ霊媒師を演じた樹木希林!さすがです。うまいです。笑わせます。泣かせます。ウーピーを超えたという声もある絶妙な演技を見せてくれます。死別の哀しみは皆、共通ですが、最後の力強いメッセージも心に響きます。この作品を試写室で観た後、ふと『星願 あなたにもういちど』を思い出しているアジコでした。

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