戦火の中へ(砲火の中へ/71 Into The Fire)
story
1950年6月25日、北朝鮮の奇襲によって火蓋が切られた朝鮮戦争は、わずか3日でソウルが陥落。破竹の勢いで南下する北朝鮮軍の猛攻を浴びた韓国軍は、国連軍の支援を得ながらも敗走に継ぐ敗走を重ねていた。
激しい戦闘の最中、学徒兵のジャンボム(チェ・スンヒョン)は銃弾をかつぎ、射撃兵のもとへ駆けつけていた。気の弱いジャンボムを助け、優しく接してくれた隊長が目の前で撃たれてしまう。ジャンボムは自責の念にかられて病院まで付添うが、隊長は助からずジャンボムは大きなショックを受ける。そんな彼を、隊長の親友だったカン・ソクテ大尉(キム・スンウ)が見ていた。
8月、もはや全滅の危機に瀕した韓国軍は、最後の砦となった洛東江(ナクトンガン)を死守するため、浦頂(ポハン)に駐留していたカン大尉の部隊も召集。軍指令部が設置された浦頂女子中学校の守備は、戦闘経験がほとんどない71人の学徒兵に委ねられることになる。
71人にライフルを支給したカン大尉は、守備隊の指揮官に物静かなジャンボムを指名する。戦闘経験はあるものの、戦場での地獄のような光景に逃げ惑うしかなかったジャンボムは、リーダーという大役を任され困惑する。しかし、カン大尉はジャンボムを信頼し「もし何かあったら無線で連絡するように」と言い残して洛東江へ向かうのだった。
学徒兵の中には、少年院へ送られる代わりに学徒兵に志願した年長の不良、ガプチョ(クォン・サンウ)たちがいた。ジャンボムは中隊長として皆を統率しようと努めるが、ガプチョたちは規律を乱し、事あるごとに問題を起す。孤立したジャンボムの唯一の心のよりどころは、故郷の母へ手紙を書くことだった。
その頃、北朝鮮軍のパク・ムラン大佐(チャ・スンウォン)は、「洛東江へ向かえ」という上層部の命令を無視し、浦頂へのルートを突き進んでいた…。
●アジコのおすすめポイント:
内戦の歴史を持つ韓国ならではの実話に元づいた物語です。当時、16歳だったイ・ウグン少年が戦火の中で母親宛に綴った手紙には、戦争の悲惨さや同じ民族で殺しあうことへの疑問、早く帰りたいという思いに溢れていました。そのウグン少年をモデルとした主人公ジャンボムを演じるのは、俳優としてはまだ新人のチェ・スンヒョン。BIGBANGのT.O.Pとして活躍している彼ですが、ドラマ「アイリス」やテレシネマ7の『19』など、演技への感性も抜群。今回もチャ・スンウォンやキム・スンウ、そして同じ学徒兵を演じるクォン・サンウなど、主演クラスの俳優陣の中で、堂々と主人公を演じています。チェ・スンヒョン、俳優としても要チェックですよ。 |