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海洋天堂

監督:シュエ・シャオルー
脚本:シュエ・シャオルー
撮影:クリストファー・ドイル
編集:ウィリアム・チャン、ヤン・ホンユー
美術:イー・チュンマン
衣装:スタンリー・チャン
音楽:久石譲
主題歌:「Say Goodbye/説了再見」歌:ジェイ・チョウ
出演:ジェット・リー、ウェン・ジャン、グイ・ルンメイ、ジュー・ユアンユアン、ドン・ヨン、イェン・ミンチュー、カオ・ユアンユアン

2010年/中国
日本公開日/2011年7月9日
カラー/ヴィスタ/DOLBY-SR、SRD/98分
配給:クレストインターナショナル
(c)2010, Nice Select Limited.
2010年 上海国際映画祭メディア賞部門 最優秀作品賞
 新人監督賞(シュエ・シャオルー)
 主演男優賞(ウェン・ジャン)


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海洋天堂(海洋天堂/Ocean Heaven)

story

 中国、チンタオ。大海原に浮かぶ小舟から、足に重りを付けた親子が海へ飛び込む。だが、息子は足かせをほどき、悠々と水面へ上がっていく…。

 ワン・シンチョン(ジェット・リー)は妻に先立たれてから、男手ひとつで自閉症の息子ターフー(ウェン・ジャン)を育ててきた。だが、自分が癌で余命わずかと知り、21歳になった息子の将来を案じて心中を試みたのだった。自宅に戻ったシンチョンが遺書を隠した後、いつも世話をやいてくれる親切な隣人の女性チャイ(シュー・ユアンユアン)がやって来た。

 シンチョンが働く水族館の館長(ドン・ヨン)は、泳ぎの好きなターフーのために水槽をプールとして使わせていた。シンチョンは仕事の合間を縫って、息子を預かってくれる施設を探し、一方でターフーにバスの乗り方など、一人で生きていく術をひとつひとつ教えていく。

 かつて世話になった養護施設のリュウ先生(イェン・ミンチュー)のおかげで、ターフーは民間の施設に入れることになる。しかし、父と離れて一人きりになったターフーは発作を起してしまう。シンチョンは施設に移り、最後の日まで息子と共に生活することにする。

 その頃、ターフーは水族館に巡業で来ていたサーカス団のピエロ、リンリン(グイ・ルンメイ)と出会い、彼女に興味を抱く。リンリンもまたターフーに優しく接し、二人で楽しい一時を過ごすのだった。

●アジコのおすすめポイント:

人間味溢れるヒーローを演じてきたジェット・リーが、得意のアクションを封印し、慈愛に満ちた父親を見事に演じています。チェン・カイコー監督の『北京バイオリン』でも父と息子の心暖まる物語を書いた女性脚本家シュエ・シャオルーが、長年ボランティアとして支援活動を続けてきた自閉症をテーマに描いた監督デビュー作品。自ら「壱基金」を運営するジェット・リーがノーギャラで出演したのはもちろんのこと。さらに、ビル・コン(製作)をはじめとする一流のスタッフが結集し、珠玉の作品に仕上がっています。海、水槽、水族館のプール…水の描写が美しく、久々に観たクリストファー・ドイルのカメラワークにも癒されます。そして、無垢なる息子役を自然体で演じたウェン・ジャンの素晴らしいこと! 海亀には泣かされますが、生きる強さがじわじわと伝わって来ます。ラストのジェイの歌もエンディングにふさわしく、印象に残ります。

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