監督:チャン・イーモウ
原作:「山[木査]樹之戀」エイミー著
脚本:イン・リーチュエン
撮影:チャオ・シャオティン
編集:孟佩徳
音楽:チェン・チーガン
主題歌:「山[木査]樹」歌:チャン・シーレイ
出演:チョウ・ドンユイ、ショーン・ドウ、シー・メイチュアン、リー・シュエチェン、チェン・タイシュン、スン・ハイイン
2010年/中国
日本公開日/2011年7月9日
カラー/シネスコ/ドルビーデジタル・SRD/114分
配給:ギャガ
(c)2010, Beijing New Picture Film Co., Ltd and Film Partner (2010) International, Inc.
2010年 ベルリン国際映画祭 正式出品作品
2010年 釜山国際映画祭 オープニング上映作品
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サンザシの樹の下で
(山[木査]樹之戀/Under The Hawthorn Tree)
story
1970年代初頭、文化大革命時代の中国。学生は農民から学ぶべきだという教えのもと、都会の高校生たちは農村に派遣され、住み込みで実習をおこなっていた。女子高生ジンチュウ(チョウ・ドンユイ)が送られた村には、ある言い伝えを持つサンザシの樹があった。抗日戦争の頃、樹の下で亡くなったの兵士の血が染み込み、赤い花が咲くという。これは、当時の革命精神の象徴となるものだった。
村長(リー・シュエチェン)の家に住むジンチュウは、家族同然の付き合いをしている年上の青年スン(ショーン・ドウ)に出会う。スンは地質調査員として働いていた。村に滞在中、そして学校に戻ってからも、スンは何かとジンチュウのことを気にかけ、困った時には必ず手を差し伸べてくれた。そんな彼に、ジンチュウも恋心を抱くようになる。
しかし、それは許されぬ恋だった。地主階級のジンチュウの父は投獄され、教師である母(シー・メイチュアン)も辛い労働を強いられていた。そんな中、ジンチュウは幸運にも教師の職に就く機会を手にしたのだ。もし革命の教えに背き、恋愛にうつつを抜かしていることが知れたら、家族が今の絶望的な生活から抜け出すチャンスを失ってしまう。
ふたりは人目を忍んで逢い続ける。後ろめたさを感じながらも、同じ時間を過ごし、互いの身を思いやり、愛を誓い合う。そして、大切に思うからこそ、その関係は清いものであり続けた。しかし、幸せな日々は突如、終わりを告げる…。
●アジコのおすすめポイント:
このところ大作が続いていたチャン・イーモウ監督が久々に描く文芸作品。文化大革命の時代に芽生えた若い男女の純愛を丁寧に描いています。美しい映像、悲恋へとつながる展開には、ちらっと韓流ドラマを思い浮かべてしまいましたが、こちらは実話をもとにした作品。この時代だからあり得た純愛であり、この時代だから起こり得た悲劇とも言えるでしょう。7000人から発掘された新人女優チョウ・ドンユイは清楚な童顔の美少女。相手役のショーン・ドウはカナダ育ちのせいか垢抜けた感じがしますが、自分の気持ちにストレートに行動する誠実な若者を好演しています。そしてサンザシの樹は、革命ではなくふたりの愛の象徴。この純真無垢な愛に、思う存分涙してください。
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