レイン・オブ・アサシン
(剣雨/Reign Of Assassins)
story
明朝時代の中国。闇の世界では、約800年前にインドから中国に渡り、武術の奥義を究めた達磨大師の遺体を巡る争いが続いていた。すでにミイラ化した達磨の遺体は上半身と下半身とに分断され、行方知れずとなっている。それを手中に収めた者が武術界の覇権を握るという伝説がまことしやかに囁かれていたのだ。
恐るべき暗殺組織「黒石」が、時の宰相チャン・ハイドゥアンとその息子レンフォン(グオ・シャオドン)を抹殺した。黒石の首領、転輪王(ワン・シュエチー)は、チャン宰相が遺体の上半身を隠し持っているとの噂を聞きつけ、彼の屋敷を襲撃したのだ。しかし転輪王が最も信頼を寄せる部下のシーユー(ケリー・リン)が、混乱に乗じて達磨の遺体を奪い、忽然と姿を眩ましてしまう。
辟水剣を体得したシーユーは、冷酷な女刺客である。そんな彼女の人生観を一変させたのは、ルーチュウ(リー・ツォンファン)という修行僧との運命的な恋だった。一流の武術家でもあるルーチュウは、自らの命をなげうってシーユーにまっとうな道を歩むよう説得。最愛の男性を失った悲しみに、過去との決別を誓ったシーユーは整形の秘術を受け、別人に生まれ変わる。そしてツァン・チンという新たな名前を名乗り、一人都へ向かう。
都の片隅で空き家を借り、商売を始めたツァン・チン(ミシェル・ヨー)の新たな人生は順調そのものだった。そんな彼女の前に、アシャン(チョン・ウソン)という配達人が現れる。不器用なアシャンは、ツァン・チンに好意を抱いている様子だが、茶屋に誘うこともできない。素朴で控えめな人柄に心惹かれるようになったツァン・チンは、「あなた、私を嫁にする?」と自ら求愛。ふたりは近所の住民に祝福され、結婚式を挙げた。
半年後、幸せな夫婦生活に暗雲が垂れ込める。転輪王がかつて自分を裏切った憎きシーユーの首に賞金を懸け、腕に覚えのある武術家たちが彼女の捜索を開始したのだ…。
●アジコのおすすめポイント:
ジョン・ウー監督が盟友テレンス・チャンと自社プロダクションで製作し、監督に台湾のスー・チャオピンを迎えて完成させた武侠ドラマ。アクション部分などで、ジョン・ウー監督も参加しているようですが、本作のテイストはどちらかというとスー・チャオピンではないでしょうか。過去を捨てて生きるミシェル・ヨーとチョン・ウソンのエピソードが微笑ましく、夫婦愛の物語としても楽しめます。ひねりはありますが、最後には愛が勝利するところがうれしい。中国・香港・台湾から参加した豪華キャストのサイドストーリーにも注目。バービー・スー、大人になりました。レオン・ダイ、こんな役もできるんですね。ちなみに本作は、ジョン・ウー監督の愛娘アンジェルス・ウーの女優デビュー作。最初の方でシーユーに殺られる女刺客を演じています。
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