決闘の大地で(The Warrior's Way)
story
暗殺集団「悲しい笛」の寡黙な戦士(チャン・ドンゴン)が、ついに最強の刺客を打ち倒す。幼い頃から闘うために育てられた彼の目的は、敵対勢力を皆殺しにして頂点に立つこと。しかし、彼は最後の一人をどうしても殺せなかった。それは乳母車で無邪気に笑う女の赤ん坊だったのだ。
戦士は赤ん坊を背負い、長い旅に出る。それは「悲しい笛」を敵に回すことを意味していた。森を抜け、船で海を渡った戦士は、旧友が住んでいるはずの異国の町ロードにたどり着く。一方、「悲しい笛」の首領(ティ・ロン)も部下たちと共に船を略奪し、異国の地へと戦士を追っていた。
うらぶれた町ロードでは、サーカス団を率いるエイトボール(トニー・コックス)、じゃじゃ馬美女のリン(ケイト・ボスワース)、酔いどれ男のロン(ジェフリー・ラッシュ)たちが戦士を迎え入れる。旧友はすでに亡くなっていたが、行く宛のない戦士は彼が残したクリーニング店を引き継ぎ、リンの提案で共同経営を始める。
リンは幼い頃に、冷酷なコロネル大佐(ダニー・ヒューストン)に最愛の家族を殺され、自らも生死の境をさまようという悲惨な過去を引きずっていた。大佐への復讐を誓うリンは、戦士から武術の手ほどきをうける。天涯孤独だった戦士は、この町に居心地のよさを感じ、ぎこちなく赤ん坊を育てながらも初めて人間らしい生活を経験するのだった。
クリスマスが訪れ、砂漠でダンスを踊った戦士とリンは初めてのキスを交わす。ところがその夜、コロネル大佐とならず者たちがロードに現れ、無法の限りを尽くす。戦士はリンたちを助けるため、必殺剣の封印を解いてしまう…。
●アジコのおすすめポイント:
アジアの武侠映画と西洋の西部劇が融合した斬新なファンタジーアクション作品です。ニューヨークで映画を学んだイ・スンム監督の脚本に、ハリウッドのプロデューサーたちが魅了されて実現した本作。そうそうたるスタッフとキャストに恵まれ、監督の長編デビュー作にして、チャン・ドンゴンのハリウッドデビュー作にもなりました。その見事なソードアクションには、日本の下村勇二監督の功績もあり。前半は子連れ狼が西部に迷い込みという流れですが、ハンサムなチャン・ドンゴンはハリウッド俳優たちにも自然と溶け込み、存在感を発揮しています。香港の名優ティ・ロンとの父子対決も見所で、後半はまるでツイ・ハーク映画のような世界が展開。ほのかなロマンスもアクションも楽しめます。
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