強奪のトライアングル(鐡三角/Triangle)
story
エンジニアのサン(サイモン・ヤム)、タクシー運転手のファイ (ルイス・クー)、骨董屋のモク(スン・ホンレイ)は飲み仲間。3人はバーで強盗計画の話をしていた。そこへ不思議な老人が現れ、興味があるなら連絡をくれと、名刺と1枚の金貨を置いて立ち去る。サンが調べると、それは古代の貴重な金貨だった。
サンは亡くなった前妻にそっくりなリン(ケリー・リン)を妻にしていたが、リンは毎晩、謎の薬を飲ませるサンに疑惑を持ち、相談していた刑事のウェン(ラム・カートン)と深い仲になっていた。ファイは借金に追われ、ヤクザのロン(リー・ハイタオ)から強盗の手伝いを迫られている。モクは株で失敗し骨董店をたたもうとしていた。
3人は老人に連絡しようとするが、ニュースで彼が死んだことを知る。老人は大富豪だった。そこで、名刺にあったURLを頼りに調べると、なんと古代の秘宝が政府ビルの下に隠してあることがわかる。一か八かの賭けに出た3人は、政府ビルに忍び込み、古代の棺を運び出すことに成功する。
棺の中には、王女の遺体と共に短剣や金貨をちりばめた黄金の礼服などの財宝が入っていた。そして、王女の悲恋を綴った銘文も。古代の恋人たちの念が隠った棺から、妖しい空気も解き放たれたようだ。
サンが怪しげな行動をしているとリンから聞いたウェンは、サンを追ってモクの店に入り黄金の礼服を奪う。一方、ヤクザの追い立てに焦るファイが、モクの店で礼服を盗もうとすると、そこにモクも現れる。2人はサンとウェンの後を追い、リンもやって来る。それぞれが礼服を奪い合っている内に、リンがウェンの車にはねられてしまう。
車がパンクしたため、ヤク中のデブ(ラム・シュー)に修理を任せて、4人は湖畔のレストランにたどり着く。礼服の入った袋をもったウェンを見つけた4人は、似た袋とすり替えようとするが、そこに取引で金の入った袋を持ったヤクザのロンたちも現れる。さらに、不審を抱いた地元の警察官(ヨウ・ヨン)も同じような袋を持って現れ…。
●アジコのおすすめポイント:
ツイ・ハーク、リンゴ・ラム 、ジョニー・トーの香港ノワール3巨匠が揃って企画し(発案はツイ・ハーク)、それぞれが順番に物語の続きを自由に作っていく前代未聞のオムニバス作品です。起承転結の発端を描くのはツイ・ハーク。監督らしいイマジネーションに溢れた謎を散りばめ、たくさんのフックを残します。それを受けるのが、落ち着いたトーンでじっくり描くリンゴ・ラム。人間関係やドラマの要素を盛り込み、宝物争奪戦への道筋を作っていきます。そして、最後を締めるのはジョニー・トー。替わり目は一目でわかるので、お楽しみに。一体どうなっちゃうの?という、トライアングルどころか5つどもえくらいの大混戦の果て、最後がハッピーに決着するところも心地よい作品です。
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