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ロスト・イン・北京

監督:リー・ユー
脚本:リー・ユー、ファン・リー
撮影:ワン・ユー
編集:チェン・ジアン
美術:リウ・ウェイシン
音楽:ワン・シュエイー
出演:ファン・ビンビン、レオン・カーファイ、トン・ダーウェイ、エレイン・チン、ツアン・メイホイツ

2007年/中国
日本公開日/2012年10月6日
カラー/ヴィスタ/1:1.85/ドルビーSR/109分
配給:オリオフィルムズ
「中国映画の全貌2012」にて初上映
2007年 トライベッカ映画祭
 最優秀脚本賞(リー・ユー、ファン・リー)
2007年 バンコック国際映画祭 審査員賞
2007年 カザフスタンアジア映画祭
 主演女優賞(ファン・ビンビン)

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ロスト・イン・北京(苹果/Lost In Beijing)

story

 出稼ぎで北京に来たピングォ(ファン・ビンビン)は、マッサージパーラーのマッサージ師として働いている。彼女にはビルの窓ふきをしている夫アンクン(トン・ダーウェイ)がいるが、既婚者は雇わないパーラーなので夫のことは内緒にしている。貧しいが二人には楽しい都会生活だった。

 ある日、解雇された仲間のシャオメイ(ツアン・メイホイツ)を慰めるため、ピングォは一緒にお酒を飲み、したたかに酔ってしまう。そのまま店に戻り、朦朧としたまま社長室に入ったピングォは、オーナーのリントン(レオン・カーファイ)を夫と間違えてしがみつく。

 途中で夫ではないことに気付き拒否するが、リントンは構わず行為を続けレイプした形になった。そのビルの窓を拭いていた夫アンクンが、偶然、その現場を目撃する。激怒したアンクンが部屋に乗り込んだことで、ピングォは結婚していることがバレて解雇されてしまう。ところが、しばらくしてピングォは妊娠したことを知る。

 夫の子かリントンの子かわからないので、ピングォは中絶しようとするが、アンクンはリントンの子に違いないとして、裕福なリントンから慰謝料を取ろうとする。一方、リントンには長年連れ添った妻ワンメイ(エレイン・チン)がいるが、二人の間には子供がなかった。

 リントンはアンクンと契約を結び、生まれた子の血液型で自分の子と判明したら子供を引き取り、二人には多額の報酬を払う約束をする。長年の夢がかなう期待から、リントンは自分の子に間違いないと確信を抱くようになり…。

●アジコのおすすめポイント:

10年の東京国際映画祭で芸術貢献賞と主演女優賞(ファン・ビンビン)を受賞した『ブッダ・マウンテン』の美人女性監督、リー・ユーの07年の衝撃作です。完璧な美貌にもかかわらず、様々な役柄にチャレンジしているファン・ビンビンが、本作ではスッピンに近い薄化粧で生活感を出し、さらに夫役のトン・ダーウェイや勤務先社長のレオン・カーファイと大胆なセックスシーンを披露。中国ではその部分をカットして公開された後、上映禁止処分となっています。しかし、本作で描かれているのは人間の欲情と、その先にある子どもの存在。生まれて来る子どもを巡って、2組の夫婦が騙しあい翻弄されていきます。そして、最後に女たちが選んだ道は…。今回は完全版での上映。観応えのある作品ですので、貴重な機会をお見逃しなく。

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