拝啓、愛しています(Late Blossom)
story
キム・マンソク(イ・スンジェ)は、牛乳配達のアルバイトで小遣い稼ぎをしながら引退生活を送っている。冬の早朝、彼は凍った道で転んだ古紙回収の女性(ユン・ソジョン)を助ける。それ以来、彼女のことが気になり、毎朝坂の上にバイクを停め、彼女が現れるのを待つようになった。
古紙回収のリアカーを取りに行く駐車場には、親切な管理人チャン・グンボン(ソン・ジェホ)がいた。彼には認知症を患った妻(キム・スミ)がいて、献身的な介護を続けていた。ある日、自宅の鍵をかけ忘れたため、妻が寝巻きのまま外出。途中で出会ったマンソクを夫と勘違いし、マンソクは彼女に振り回される。
一方、グンポンも古紙回収の女性と一緒に街中を捜し回っていた。幸い、マンソクと一緒にいた妻と再会。二人は仲睦まじく家に帰って行く。その後ろ姿をながめながら「あんな風に老いたかった」と彼女がつぶやいた。この事件のおかげで、マンソクはやっと彼女と親しく話せるようになる。
彼女の姓はソン。父親が出兵中に亡くなったため、名前がなかった。若い頃、ソウルへ駆け落ちしてやって来たが、相手に捨てられ、子供も亡くしていた。文字が書けず、わずかな収入のため重労働をして、孤独な生活を続けているのだった。身の上話に心を動かされたマンソクは、彼女を孫娘のヨナ(ソン・ジヒョ)が勤める役所へ連れて行く。
住民登録のため、マンソクは彼女にイップンという名前を付け、生活保護の手続をしてもらう。ヨナは祖父が本気でイップンを愛し始めていることに気づき、「好きならちゃんと告白するべき」とアドバイス。亡き妻の墓前で許しを乞うたマンソクは、イップンの誕生日に歌を唱って告白。二人は幸せに包まれるのだが…。
●アジコのおすすめポイント:
とても味わい深く、愛らしい作品です。出演者の名前を見ただけでも、韓国ドラマファンならそそられる名優ばかりですが、さらに、監督は今年の大ヒット作『王になった男』を生み出したチュ・チャンミン。これはもう観るしかない! 王様のイメージが強いイ・スンジェは、本作でもプライドが高く偏屈な頑固爺ですが、恋する男の部分はとても可愛らしく、相手役のユン・ソジョンも少女のような可憐さ。彼女にもらった皮の手袋をパンパンと見せびらかすシーンは印象的です。黄昏時の恋ゆえ、残された時間というせつない部分もありますが、ラストには監督らしいファンタジーな演出もあり、幸せな余韻が残ります。
*ドラマ版もイ・スンジェ主演で放送中です。
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