狼たちのノクターン<夜想曲> (大追捕/Nightfall)
story
特捜課のラム刑事(サイモン・ヤム)は、娘(ガム・チョクラン)と二人暮らし。自殺した妻(ユミコ・チェン)のことが頭から離れず、未だに他殺かもしれないと疑い、同じような事件を調べていた。ボーイフレンドと朝帰りした娘を叱るが、娘は仕事漬けの父が疎ましい。
その頃、強姦殺人罪で終身刑を受けていたウォン・ユンヨン(ニック・チョン)が、模範囚として20年ぶりに出所する。戻された荷物のペンダントを握りしめるウォン。ピアノ調律師の仕事も紹介され、彼は街中で自由を満喫する。
しかし、著名なピアニストであるツイ(マイケル・ウォン)のコンサートポスターを見つけ、憎悪の目を向けるのだった。そのツイは、年頃の娘シュー(ジャニス・マン)に苛立っていた。その執着ぶりは異常で、シューは父の偏愛と体罰に怯える日々を送っていた。
ある日、調律の仕事をしているウォンの耳に、ノクターンの旋律が聴こえてくる。ピアノを弾いていたのはシューだった。彼女の姿を見た時、ウォンは愕然とする。そして、彼女がツイの娘と知ったウォンは、シューの部屋を遠くから監視できる場所に部屋を借り、盗聴を続けるのだった。
深夜、海に死体が投げ込まれる。漁師の発見で事件が発覚し、ラム刑事たちが捜査にあたるが、身元がわからないほど損壊された被害者は、DNA鑑定の結果ツイと判明。ラムたちは関係者の調査を開始する…。
●アジコのおすすめポイント:
『殺人犯』でアーロン・クォックのぞっとするような表情を切り取ったロイ・チョウ監督が、本作では影帝ニック・チョンを謎の殺人犯に仕立て、これまたぞっとするようなカメラワークで観客を惑わせます。演技の力もあるのでしょうが、照明の当てかたで、こんなに顔が変わるんですねえ。冒頭に残虐場面も出て来ますが、そこで引いてはいけません。20年前のニックを演じるのはショーン・ドウ。一体、彼に何が起こったのか? そして、この事件を通じてサイモン・ヤム演じる刑事が悟ったこととは? せつなくも味わい深いラストに、エンディングロールで流れるワン・フォン(汪峰)の爽やかな歌声がいつまでも耳に残ります。
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