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奪命金

監督:ジョニー・トー
脚本:銀河創作組、アウ・キンイー、ウォン・キンファイ
撮影:チェン・シウキョン
編集監督:デヴィッド・リチャードソン
編集:アレン・リョン
衣装・美術:スーキー・イップ
出演:リッチー・レン、デニス・ホー、ラウ・チンワン、マイオリー・ウー、ロー・ホイバン、ソー・ハンシェン、フィリップ・クン、チョン・シウファイ、フェリックス・ウォン、テレンス・イン

2011年/香港
日本公開日/2013年2月9日
カラー/スコープサイズ/106分
配給:ブロードメディア・スタジオ
(c) 2011 Media Asia Films (BVI) Ltd.
2012年 香港電影金像奨 助演男優賞(ロー・ホイバン)/
 助演女優賞(ソー・ハンシェン)
2012年 台湾金馬奨
 監督賞(ジョニー・トー)/主演男優賞(ラウ・チンワン)/
 オリジナル脚本賞(銀河創作組、アウ・キンイー、
 ウォン・キンファイ)

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奪命金(Life Without Principle)

story

 金融都市、香港。妻コニー(マイオリー・ウー)からマンション購入をせがまれている香港警察のチョン警部補(リッチー・レン)は、仕事を口実にいつも話をそらしていた。ある物件を気に入ったコニーは、夫に内緒でマンション購入の契約を進めてしまう。

 銀行で金融商品の営業を担当するテレサ(デニス・ホー)は、成績最下位で上司のジャッキー(ステファニー・チェ)から無言のプレッシャーを受けていた。そんな彼女の元に、顧客の中年女性チェン(ソー・ハンシェン)が自己資金で大儲けしたいと相談に現れる。テレサは躊躇しながらも成績のため、彼女にリスクの高い投資信託を売り付ける。

 ギリシャの債務危機で金融市場が突然下落し、銀行には多くの顧客が押し寄せる。そんな中、常連の高利貸チャン(ロー・ホイバン)が、取引のために1000万HKドルを下ろしにやってくる。しかし、電話で客の担保が揃わないとわかり、500万HKドルだけを受取って急いで立ち去る。

 チャンが携帯を忘れたことに気づいたテレサは、駐車場へ彼を追いかけるが、チャンは車の中で血まみれになって息絶えていた。動揺したテレサは、チャンから戻すように頼まれた残りの500万HKドルを、机の引き出しに隠してしまう。

 世話好きなヤクザのパンサー(ラウ・チンワン)は、兄貴分(チョン・シウファイ)の保釈金を工面する途中で、成功した同郷のドラゴン(フィリップ・クン)を頼り、彼の投資会社で働くことに。株価の動きが読めるようになる。そこに金融危機による株の大暴落が起こり、金策に困ったドラゴンは、高利貸チャンの金を奪うことを思いつくのだが…。

●アジコのおすすめポイント:

株や不動産への投資が庶民にまで浸透している香港ならではのお話。突然の金融恐慌によって、右往左往する人々の隙き間で起こった高利貸の殺人事件と、それによって人生が変わっていく人々の姿を輪舞曲のように描いています。金融サスペンスという新たなジャンルを手がけたのは、香港ノワール界の巨匠ジョニー・トー。常連俳優陣にデニス・ホー、マイオリー・ウーと新風を吹き込み、株のにわか勉強で命がけの勝負に出るヤクザ、不誠実な仕事に嫌気のさした銀行員、夫の危機で大切なものを思い出す刑事の妻と、3者3様の運命の行方が、巧みに描かれていきます。その結末は、スクリーンで御堪能ください。

*フランス人監督によるドキュメンタリー『ジョニー・トー 香港ノワールに生きて』が、2/16より公開予定です。


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