クラウド アトラス(Cloud Atlas)
story
星空の下、焚火の前で、初老の男ザックリー(トム・ハンクス)は、自らの波乱に満ちた半生を語り始める。だが、そこには時間と場所を超えた、いくつもの「自分」の物語があることを、彼は知らない。
1849年、南太平洋諸島。ドクター・ヘンリー・グース(トム・ハンクス)は、サンフランシスコからやって来た若き弁護士アダム・ユーイング(ジム・スタージェス)と出会う。彼は妻の父からの依頼で、ホロックス牧師(ヒュー・グラント)と奴隷売買の契約を交わすが、島で病を患いグースが無料で治療を施す。しかし、グースの邪悪な目的のため、病は帰途の船上で悪化。ユーイングを救ったのは…。
1936年、若き音楽家ロバート・フロビシャー(ベン・ウィショー)は、ユーイングの航海日誌を読んでいた。父に勘当された彼は、恋人のルーファス・シックススミス(ジェイムズ・ダーシー)のもとを離れ、スコットランドの天才作曲家ビビアン・エアズ(ジム・ブロードベント)の家で採譜をしながら作曲を始める。それは、後に幻の名曲となる「クラウド アトラス六重奏」だった。
1973年のサンフランシスコ。物理学者となったシックススミスは、多くの人命に関わる原子力発電所の報告書をジャーナリストのルイサ・レイ(ハル・ベリー)に託そうとして殺される。彼が持っていたフロビシャーからの手紙に惹かれ、幻の名盤を見つけるルイサ。さらに発電所の従業員アイザック(トム・ハンクス)と出会い、アイザックは彼女のために会社を裏切ろうとするのだが…。
2012年、ロンドン。作家ダーモット・ホギンズ(トム・ハンクス)は、パーティの席で著書「顔面パンチ」を酷評した評論家を高層ビルから放り投げて殺し、逮捕される。が、事件のおかげでカルト的英雄となり、著書は大ヒット。出版元のティモシー・カベンディッシュ(ジム・ブロードベント)は大儲けするが、ダーモットの弟たちに脅迫され兄デニー(ヒュー・グラント)を頼る。ところが…。
2144年、ネオ・ソウルでは、人間が遺伝子操作で作った複製種を支配していた。レストランで働らくソンミ451(ペ・ドゥナ)は、ユナ939(ジョウ・シュン)のおかげで自我に目覚め、革命家ヘジュ・チャン(ジム・スタージェス)の手助けで逃走。彼と激しい恋に落ち、彼らと共に反乱の先頭に立つ。
地球崩壊後106度目の冬、若きザックリーは妹ローズ(ジョウ・シュン)の子どもを救うため、義弟アダム(ジム・スタージェス)を見殺しにしてしまう。その村では、女神ソンミの像が崇められていた。やがて、進化した人間コミュニティーの使者メロニム(ハル・ベリー)が村を訪れ、ザックリーにある決断を促す。
●アジコのおすすめポイント:
あの『マトリックス』のウォシャウスキー姉弟が、またまた斬新な映像に挑戦。原作は同名のベストセラー小説。今回は3時間近い大作にして、6つの時代のストーリーを描くため、映画が6本あるようなもの。『ラン・ローラ・ラン』のトム・ティクヴァが共同監督・脚本に加わり、音楽も担当しています。6つのストーリーとはいっても、それぞれの作品がそれこそカット単位で交錯するので、最初から緊張して画面を見つめることに。幸い、それぞれがヒューマンドラマ、文芸作品、サスペンス、コメディ、近未来SF…とはっきりとしたカラーを持っているため混乱することはありません。それぞれ独立した作品としても楽しめます。エンディングロールで種明かしがある、キャスティングも見どころのひとつ。但し、変貌ぶりに目を奪われていると、ストーリーのつながりを見落とすかもしれないので、2度観るのがオススメです。え!この人が?!と、結構、驚きますよ。
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