共謀者(共謀者たち/Traffickers)
story
韓国と中国を結ぶ航行中の旅客船。突如、血だらけの男が助けを求めて甲板に現れる。追って来た男は2人。乗客たちが驚く中、一人が男を取り押さえたまま海に身を投げる。
港町で運び屋を仕切るヨンギュ(イム・チャンジョン)は、切符売場で働くユリ(チョ・ユニ)に心を寄せている。しかし、ユリは肝臓移植が必要な父親を抱えており、それどころではない。借金を抱えるヨンギュの弱味をにぎった密売人仲間が、すでに足を洗った臓器売買の仕事にヨンギュを再び加担させる。
ターゲットは保険外交員サンホ(チェ・ダニエル)の妻で足の不自由なチェヒ(チョン・ジユン)。新婚の二人は、初めての中国旅行を楽しみにしていた。何も知らないで船に乗り込む二人。しかし、この計画には、様々な共謀者が潜んでいた。そして、中国での臓器移植を斡旋されたユリと父親も同じ船に乗っていた。
その夜、サンホが夜食を買いに出かけた隙に、妻が車椅子ごとさらわれてしまう。船内を必死で捜し回るサンホだったが、妻は荷物と共に乗客リストからも消えていた。一方、作業は船内のサウナ室で秘かに行われようとしていた。しかし、手術台で眠るチェヒを見て、ヨンギュは愕然とする。それは、かつて仕事の犠牲となった恩人の妹だったのだ…。
●アジコのおすすめポイント:
新鋭キム・ホンソン監督のデビュー作。実際に起こった事件をヒントに、監督自らが闇組織に命がけで1年間の取材を重ね、完成させた作品です。戦慄するのは、このおぞましい臓器売買の仕事にたくさんの人間が関わっており、計画的に遂行されていること。これでは、ターゲットにされた人はたまったものではありません。なんと、恐ろしいことか! ラストでは主人公が告発することで、闇組織が明らかにされ、逮捕されていきますが、現実にこのような事件が起きていることは肝に銘じておいたほうがよさそうです。ドラマで人気のチェ・ダニエル、男っぽさが魅力のイム・チャンジョンの演技対決にもご注目を。
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