ベルリン ファイル(The Berlin File)
story
ドイツの首都ベルリン。韓国情報院のチョン・ジンス(ハン・ソッキュ)は、高級ホテルの一室で行われている武器取引の密談を監視していた。彼が目を留めたのは、アラブ系組織に新型ミサイルを売りつけようとしている北朝鮮の秘密工作員、ピョ・ジョンソン(ハ・ジョンウ)。どんなリストにも記録がない「ゴースト」と呼ばれる人物だ。
この取引の資金の流れをたどれば、キム・ジョンイルが死去した直前にマカオからヨーロッパに移された40億ドルの秘密口座のありかを突き止められる。そう睨んだジンスは取引成立のタイミングを狙い、部下たちに強行突入命令を出すつもりだった。ところが突然、イスラエルの情報機関が乱入して銃撃戦となり、すべてが水の泡になってしまう。
なぜ武器取引のトップシークレットが、事前に韓国情報院に漏れてしまったのか。ジョンソンは内通者を疑いはじめる。そんな中、平壌から派遣された保安観察員トン・ミョンス(リュ・スンボム)が、北朝鮮大使館のリ・ハクス大使(イ・ギョンヨン)に驚愕の情報を伝える。大使館の通訳官で、ジョンソンの妻でもあるリョン・ジョンヒ(チョン・ジヒョン)が二重スパイだというのだ。
ハクスから妻の調査を命じられたジョンソンは、ショックを受けながらも、監視と尾行を開始。数年前に子どもを亡くして以来、感情がすれ違っているジョンソンは、彼女がアメリカに亡命するのではと疑う。その頃、ジンスも旧知のCIAから「北朝鮮の何者かが国連を通じて亡命要請をした」という情報を得る。ところが、アメリカ大使館の近くに姿を現した亡命志願者はハクス大使だった…。
●アジコのおすすめポイント:
冒頭からいきなり、複雑な展開を繰り広げる本作ですが、謎が謎を呼んでいくのはまだまだこれから。疑った妻の無実がわかった時、この夫婦は自分たちが罠にはめられたことを知り、そこからは逃走劇に。しかし、なぜ? そこに韓国情報院のハン・ソッキュが絡み…と、事態は思わぬ方向へ進んで行きます。様々な組織が入り乱れる展開は、一度観ただけではよく理解できないかもしれませんが、善悪がはっきりした後半はいたってシンプル。エージェントのハン・ソッキュ、常に走る男ハ・ジョンウはハマリ役ですが、特筆すべきはチョン・ジヒョン。今回はいつもの強い女ではなく、芯は強いけれども守ってあげたくなる女性を可憐に演じています。さすが、自から志願してこの役をゲットしただけのことはある。リュ・スンボムも怪演を見せています。
|