logo

楽園の瑕・終極版

監督:ウォン・カーウァイ
原作:「射[周鳥]英雄傅」作・金庸
脚本:ウォン・カーウァイ
撮影:クリストファー・ドイル
編集:パトリック・タム、カイ・キッワイ
アクション監督:サモ・ハン・キンポー
美術:ウィリアム・チョン
音楽:フランキー・チャン、ロエル・A・ガルシア
チェロ演奏:ヨーヨー・マ
出演:レスリー・チョン、レオン・カーファイ、トニー・レオン、ジャッキー・チョン、ブリジット・リン、マギー・チョン、カリーナ・ラウ、チャーリー・ヤン

2008年/香港
日本公開日/2013年7月20日
*ウォン・カーウァイ・スペシャル
カラー/シネマスコープ/94分/広東語・北京語
配給:ツイン
(c)1994, 2008 Block 2 Pictures Inc.
2008年 カンヌ国際映画祭オープニング作品

*参考:1994年オリジナル版の受賞歴
1994年 ヴェネチア国際映画祭
 撮影賞(クリストファー・ドイル)
1994年 台湾金馬奨 撮影賞(クリストファー・ドイル)
 編集賞(パトリック・タム、カイ・キッワイ)
1995年 香港映画批評家協会賞 作品賞
 監督・脚本賞(ウォン・カーウァイ)
1995年 香港電影金像奨 撮影賞(クリストファー・ドイル)
 美術・衣装デザイン賞(ウィリアム・チャン)

p2

p3

楽園の瑕・終極版(東邪西毒/Ashes Of Time)

story

 故郷の白駝山を離れ、砂漠の小さな村で旅籠を営む歐陽峰(レスリー・チョン)は、殺しの仲介を商売にしている。毎年1回、彼のもとを訪れる友人の黄藥師(レオン・カーファイ)が、ある女からもらったと酒を持って来る。それは「酔生夢死」という酒で、飲むと過去を忘れられるらしい。

 歐陽峰のもとを剣士の慕容燕(ブリジット・リン)が訪れ、黄藥師を殺して欲しいと依頼する。かつて、妹を妻にすると偽りの約束をした復讐だった。だが、妹の慕容嫣(ブリジット・リン二役)もやって来て、兄を殺して欲しいと依頼する。歐陽峰は二人が精神分裂した同一人物と見抜き、数年後、湖面に独狐求敗(ブリジット・リン)が現れる。

 黄藥師は桃の花の里に住む愛する女のもとを訪れる。彼女は友人の夕陽武士(トニー・レオン)の妻で、桃花(カリーナ・ラウ)という。夕陽武士は妻のもとを離れ、歐陽峰のもとで殺しを請負っていた。病気で失明寸前の彼は、見えなくなる前に故郷へ戻って桃の花を見たいと、村にやって来る馬賊たちを襲う仕事を引き受ける。

 ある日、女(チャーリー・ヤン)が殺された弟の仇を討って欲しいと、歐陽峰を訪ねてくる。だが、彼女は金を持たず、数個の卵を抱えていた。歐陽峰は断るが、彼女は立ち去らず、門のところで卵を抱えたまま待ち続ける。そこへ、貧乏武士の洪七(ジャッキー・チョン)が訪れ、歐陽峰から仕事の依頼を受ける。

 腕のたつ洪七は卵と引換に仇討ちも引受け、大怪我を負うが、彼を追って来た妻と共に旅立って行く。歐陽峰は白駝山にいる愛する女(マギー・チョン)のことを思う。彼女が兄嫁になってしまったため、彼は白駝山を離れたのだった。

 白駝山では、黄藥師が兄嫁と会っていた。彼は彼女に頼まれて、毎年1度、歐陽峰のもとを訪ね、その消息を彼女に伝えていたのだ。彼もまた秘かに彼女を慕っていた。

●アジコのおすすめポイント:

03年に他界した主演のレスリー・チョンが「この映画がカンヌ映画祭で上映されるといいな」と言っていたことを受け、ウォン・カーウァイ監督が94年に発表した『楽園の瑕』を4年の歳月をかけて再編集。当時、スポンサーの意向で入れていた闘いの場面を減らし、未使用フィルムの映像を追加。色彩や音声にデジタル処理を施し、新たな作品として蘇ったのが本作です。08年のカンヌでオープニング上映された後、世界各地で上映されていますが、日本では今回が初公開となります。細かい違いは、オリジナル版と見比べるとよくわかりますが、レスリーの.登場シーンが増えており、愛のドラマが浮き立つような仕上がりになっています。色彩のタッチもオリジナル版とはテイストが異なり、どちらが好きかは好みによって分かれるでしょう。アクション監督はサモ・ハンが担当していますが、トニー・レオンが闘う馬賊の中に、当時サモ・ハン・チームで活躍していたコリン・チョウ(『マトリックス』のセラフ)が出演しているそうです。顔は写りませんが、ファンの方はお見逃しなく。

▼公式サイト 閉じる