アイアン・フィスト
(The Man With The Iron Fists)
story
時は19世紀。武装集団が割拠し、争いが絶えない中国の叢林村。黒い肌をした鍛冶屋のブラック・スミス(RZA)は、敵対する猛獅会と群狼団からそれぞれ特注の武器を依頼される。断れば命はない。そして、愛するレディー・シルク(ジェイミー・チャン)のために金を稼がなければならない。鍛冶屋は黙々と鉄を叩き続ける。
猛獅会の首領・金獅子(チェン・カンタイ)は、土地を治める総督から金塊輸送の協力を要請される。だが、欲深い銀獅子(バイロン・マン)と銅獅子(カン・リー)は金強奪を企て、金獅子を殺害。遠く離れた地で父の非業の死を知ったゼン・イー(リック・ユーン)は、叢林村へと馬を駆る。
5万両の金塊輸送が行われるという噂は瞬く間に広まり、叢林村には多くのよそ者が流れ込む。白人のジャック(ラッセル・クロウ)もその一人だ。粉花楼へ出向いたジャックは、妖艶な女主人マダム・ブロッサム(ルーシー・リュー)に3人の女を用意させ、熱い夜を過ごす。別の部屋では鍛冶屋がレディー・シルクに金を渡していた。彼女を身請けして村を出ていくのが鍛冶屋の夢だった。
銀獅子率いる猛獅会は、群狼団を殲滅。さらに、金獅子の正統な後継者であるゼン・イーに暗殺部隊を送り込む。ゼン・イーはX刀でこれを撃退するが、叢林村で全身を真鍮に変える特殊能力を持つ最強の殺し屋、金剛(デビッド・バウディスタ)の襲撃に遭い、瀕死の状態に追い込まれる。傷だらけのゼン・イーを匿ったのは、鍛冶屋だった…。
●アジコのおすすめポイント:
ヒップホップと映画の両方で活躍するRZA(レザ)は熱狂的なカンフーマニア。リーダーを務めるユニット名「ウータン・クラン」も『少林寺武者房』(84年)からとったもの。彼が音楽を手がけた『キル・ビル』(03年)のクエンティン・タランティーノ監督が、そんなRZAを全面バックアップして誕生したのが本作です。東西が融合した不思議なテイストはオープニングタイトルから始まり、英語・北京語・広東語が入り乱れる中、対決の舞台となる粉花楼(ピンク・ブロッサム)はまるで『ドラゴン・イン』のような世界と化していきます。英語が達者なダニエル・ウーも見事に溶け込み、終番の闘いはまるで白髪魔女。RZAのアイドルであり心の師匠、ゴードン・リウも重要な役で出演。オタクな人ほど楽しめる本作。カンフーファンなら必見です!
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